背景
近年、スマートフォンアプリでバリアフリー情報※1を投稿する複数のアプリケーションが提供され、各アプリケーションのユーザーに適した情報の収集が始まっています。投稿される情報の中には多目的トイレなど、複数のアプリで共通して収集される情報項目もありますが、情報を相互にやりとりする、共同でバリアフリー情報を収集するなどのアプリ同士の連携は進んでおらず、それぞれのアプリが個別に情報を収集・提供しているのが現状です。
国土交通省はユニバーサル社会の実現に向け、プローブ情報※2や住民投稿情報を活用し、車いす利用者が通れる経路を地図上に登録することで、他の車いす利用者の移動支援を行う等、ICTを活用した歩行者移動支援サービスの普及展開を目指したバリアフリー・ナビプロジェクトを推進しています。※3当社では、国土交通省から委託を受け、持続可能な歩行者移動支援サービス構築に向けた検討および実証事業を進めています。
本年度は、オープンな連携を行いながら効率的に情報を整備・更新できる仕組みの構築を目指し、バリアフリー情報の収集する機能を持つ4つのアプリ事業者と共同で、新国立競技場周辺の情報を収集する実証実験を行います。実証後にはアプリ事業者へのヒアリング等を行い、各アプリ事業者同士のバリアフリー情報の連携についての具体的な在り方や、共同でバリアフリー情報を収集するための課題などを検討します。
バリアフリーマップなどの歩行者移動支援サービスは普及が期待されている分野ですが、日々変化するバリアフリー情報を継続的に収集し、マップへ反映させることは容易ではありません。プローブ情報やセンシング情報※4、住民投稿などのICT技術の活用や、各サービス主体が連携してバリアフリー情報を収集することで、継続的にバリアフリー情報を収集することが可能になることが期待されます。
当社は、国土交通省の実証実験等の取り組みを通じて、車いす利用者だけに留まらず、高齢者、ベビーカー利用者などが、自由に行きたい場所に行ける社会の実現に向けた取り組みを進めます。