データを基に地域課題を読み解き、金融との連携で地方創生を推進したい

Kasai Kohei 笠井 康平

金融政策コンサルティングユニット

大野 博堂 金融政策コンサルティングユニット ユニット長/マネージングディレクター

ユニット長から見た笠井 康平

笠井さんは前職の政府系金融機関で地域経済調査を担当しておられ、地域金融と地域課題を両面で認識するスキルをお持ちです。定性情報の定量化など、新たな取り組みも実践されており、より「考える力」が研ぎ澄まされてきたものと受けとめております。

金融と地域経済の未来をつなぐ視点を追求するために経営研へ

大学では経済学を専攻し、マクロ経済学や金融論を学ぶ中で、金融と経済が密接に結びついていることに強い関心を抱いていました。前職の金融当局では、産業・金融調査を担当し、統計等の動きや企業・金融機関へのヒアリングを通じて、統計の裏側にある背景等を分析する、金融経済動向調査に主に従事していました。こうした調査・分析をしている中で、より現場に近い存在で、地域経済の課題解決に携わってみたいという想いが強くなっていきました。

そうした中で当社の金融政策コンサルティングユニットが、金融と地方創生を横断的に捉え、地域金融機関等と連携しつつ、地方自治体や地域の課題解決に取り組んでいることを知りました。分析に留まらず、現場の課題解決にまで関われる点に惹かれ、金融との連携で地方創生に貢献したいという想いをもって入社を決意しました。

データや現場の声を基に地域課題を分析し、地域の未来を共に描く

現在は、主に自治体や金融機関をクライアントとし、幅広いテーマのコンサルティングに携わっています。自治体向けの案件では、総合計画や人口ビジョンの策定、スマートシティ・DXの検討支援、金融機関向けの案件では、新規ビジネスや営業戦略の策定支援など、公共と金融の両面から地域経済が直面する構造的な課題に向き合っています。

課題の多くは、単一の解が存在しない複雑なものです。そのため、統計データや調査分析による客観的な整理と、現場の声を拾い上げる定性的なアプローチの両立を重視しています。複数の情報を組み合わせて、論点を構造化し、感覚論に陥りがちな議論を客観的な根拠に基づく議論へと転換し、クライアントが自信をもって判断できる材料を提示することを意識しています。

プロジェクトでは、プロジェクトリーダーやメンバーと密に連携しながら、施策立案から実行フェーズを見据えた提案を行っています。単なる「正解」を示すのではなく、その地域にとって実行可能で、持続性のある選択肢を共に考えることが価値だと考えています。地域の未来に直結する意思決定に関われる点に、この仕事の醍醐味と責任の重さを感じています。

人口ビジョン・総合戦略策定で学んだ、課題の構造化力

特に印象に残っているのは、地方自治体における人口ビジョン・総合戦略策定支援業務です。人口減少という構造的課題に対し、将来推計を行うだけでなく、その結果をどのように施策や取組に結びつけるかが求められる案件でした。

壁となったのは、複雑に絡み合う地域課題の中で、何が本質的なボトルネックなのかを見極めることでした。人口減少、産業の衰退、担い手不足など複数の課題が同時進行する中で、どれが結果でどれが原因なのかを切り分け、本当に手を打つべき論点を特定することに苦労しました。

そこで、市民会議や庁内審議会への参加機会を通じて、得た意見を基に現場の課題感を論点別に構造化しました。個別意見をそのまま受け止めるのではなく、背景要因や因果関係の仮説を設定し、統計データや将来推計と照合しながら検証を実施することで、定量・定性の両面から課題を再定義していき、施策を検討していきました。

この経験を通じて、分析はあくまで出発点であり、現場の課題感と結びついてこそ意味を持つことを学びました。真の地域課題を捉えた上で施策を設計する重要性を実感できたことが、自身の成長につながったと感じています。

データ活用と金融を掛け合わせ、地域経済の持続的な成長に貢献していきたい

今後は、統計データや現場の声を基に地域課題を構造的に捉え、金融の力と掛け合わせることで地方創生を実装段階まで推進できる存在になりたいと考えています。地域には潜在的な価値や機会が眠っていますが、それを事業や投資へと結び付けなければ持続的成長は実現しないと考えています。

データから導いた地域課題や示唆を金融機関や民間企業と共有し、具体的なアクションへとつなげる橋渡し役を担い、持続可能な地域モデルの構築に挑戦していきたいと考えています。