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お知らせ

NTTデータ経営研究所、
こども・若者の意見を政策に反映する調査研究でこどもまんなか社会の実現をあと押し

~ガイドラインと人材育成プログラム作成のための調査研究を実施~
2024.03.22

株式会社NTTデータ経営研究所(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:山口 重樹、以下 当社)が、こども家庭庁の委託事業で作成した「こども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン~こども・若者の声を聴く取組のはじめ方」(以下、ガイドライン)がこども家庭庁から公表されましたのでお知らせします。

また、こども家庭庁の委託事業で、認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(所在地:東京都世田谷区、代表理事:中島 早苗)と開発した、こども・若者の意見表明をサポートする「こども意見ファシリテーター」を養成するためのモデルプログラム(以下、人材育成プログラム)も公表されました。

当社は、今後ともこども・若者の意見表明機会の拡大、意見を表明しやすい環境づくりを支援することを通じて、こどもの最善の利益を考える「こどもまんなか社会」の実現に取り組む国、地方自治体、民間団体・企業を支援していきます。

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■ こどもまんなか社会に対する当社の取り組み

当社ではこどもを取り巻く環境が大きく変化するなか、こども視点で社会課題を捉え、取り組みを加速する必要があると考えています。こども基本法が施行される前から、こども・若者の意見反映の在り方検討に関わったほか、社会的養護の実態調査や地域連携による包括的な支援の検討、地域の特性に応じた少子化対策や地域づくり、データ連携によるプッシュ型の支援アプローチの実証などに取り組んできました。また、「こどもが希望を持って活躍できる社会」の実現に向けて、2022年10月、社内に「こどもチーム」を結成し、組織的に「こどもまんなか社会」の実現に取り組む国、地方自治体、民間団体・企業を支援してきました。

こども・若者の声を聴き、反映することは、「こどもまんなか社会」を当事者が参画し、ともに作るうえで最も重視されるべきことと考え、当社はこども家庭庁設立準備室の際から検討に関わっています。

こども・若者は自分に関係することについて、意見を表明する機会が保障され、その意見は尊重されることがこども基本法の基本理念として謳われています。また、意見表明権は児童の権利に関する条約のいわゆる4つの原則の一つとされています。このため、こども施策を策定、実施、評価するとき、行政機関はこども・若者、子育て当事者等の意見を反映するために必要な措置を講ずることが義務付けられています(こども基本法第11条)。

当社がこども・若者を対象に行った調査 *1 では、国や地方自治体の制度や政策について7割近くのこども・若者に意見表明意欲があることがわかりました。

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他方、当社が実施した全国アンケート *2 ではこども・若者の声を直接聴く取り組みをしている自治体は、その種類によりますが、多くても全体の2割程度であり、これから取り組みが始まる段階となっています。行政職員は、意見を聴く意義やこども・若者の範囲、全庁的に取り組むための方法、声をあげにくい境遇にあるこども・若者の声の聴き方など、こども・若者の意見反映をどう進めていけば良いか悩んでいることが分かりました。このままでは、こども施策の担当部署だけの部分的な取組になることや、形式的に意見を聴いただけで反映されない取組となってしまうことが危惧されます。その場合、こども・若者が意見をいっても何も変わらない、という失望を招きかねません。先の調査 *1 再掲)では、国や自治体に意見を伝えたくない理由のトップは「意見を伝えても反映されないと思うから(43.3%)」でした。

当社が受託した「多様なこども・若者の意見を聴く在り方及びこどもの意見反映に関する行政職員の理解・実践に向けたガイドライン作成のための調査研究」において、各府省庁や地方自治体がこども・若者の意見を聴くための企画から反映までの一連のプロセスでの実施事項や留意点、工夫、事例、FAQをガイドラインとしてまとめ、有識者会議にて検討を重ねて案を作成。パブリックコメントを経てこども家庭庁のガイドラインとして公表されました。

*1【調査概要】

  • 調査期間:2022年11月16日(水)~11月30日(水)
  • 調査対象:小学4年生から概ね20代のこども
  • 有効回答数:2,119件

*2【調査概要】

  • 調査期間:2023年8月7日(月)~8月31日(木)
  • 調査対象:全地方公共団体のこども施策担当部署
  • 有効回答数:1,143件(回答率66.5%)

■ ガイドラインの概要

ガイドラインでは、こども・若者の意見を聴く意義、意見反映のプロセスと進め方のほか、50人を超える不登校や障害児・医療的ケア児、社会的養護の下で暮らすこども、乳幼児期のこどもなど、声を聴かれにくいこども・若者の有識者・支援者や当事者の方々の声をもとに意見の聴き方をまとめています。こどもの居場所や公園、通学路、若者支援や雇用、気候変動など、こども・若者が当事者となる現状の施策について、こども・若者の声から課題やニーズを把握する、どのように解決するかアイディアを募る、企画や運営方法についてともに考える、利用者視点で事業を評価するなど様々な場面で行政職員が参照することを想定しています。

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また、日々の業務の中でこども・若者の意見を聴く取り組みを進めるときの確認点を簡単に確認できる「こども・若者の声を聴く取組ポイント」も作成しました。こちらは、組織内外の関係者と共通認識を持って取り組みを進めるための説明資料としてもお使いいただけます。デザインはソーシャルデザインスタジオ・ニアカリ(所在地:神奈川県川崎市、代表:岡田恵利子)が手がけ、明るくやさしい雰囲気に仕上がりました。ガイドラインとあわせてご活用ください。

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こども・若者の声を聴く取り組みポイント(こども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン概要版)

■ 人材育成プログラムの概要

大人にとっても、普段とは異なる環境で自分の意見をうまく伝えるのは難しいことですが、特にこどもや若者は、これまで政策や社会の仕組みに対して意見を聴かれる機会が多かったとは言えません。また、意見を言うことで傷ついたり、意見を言うための勇気が必要だったり、自分の気持ちや思いをうまく言語化できなかったりする場合があり、それぞれの年齢や特性に応じた工夫や配慮が求められます。「正しく意見を言わなくてはならない」「人と違う意見を言ってよいのか」といった不安を持ったり、意見を言うことに対するプレッシャーを感じたりすることもあるかもしれません。

参加者の会話を促進し、どのような意見も尊重されるといった安全・安心な場づくりを行うことで、こども・若者の意見表明をサポートする役割をもつファシリテーターが重要です。当社が実施した全国アンケート *2 再掲)では、こども・若者の意見を聴く取組を実施している地方自治体のうち3割から4割がファシリテーターを確保しておらず、職員自らファシリテーター役を務めている自治体が5割~6割を占めていました。

そこで、「ファシリテーター養成プログラム作成のための調査研究」において、ファシリテーターを養成するためのモデルプログラムを開発しました。講座の内容は、傾聴力と質問力を磨き、摸擬会議を通してこども・若者の意見表明をサポートするファシリテーションを学ぶものです。事前学習の教材と合わせて、ファシリテーションのスキルだけでなく、こども・若者との関わり方を含めて丁寧に学べる内容となっています。

■ガイドライン策定及びモデルプログラム開発に向けた調査研究報告書

■NTTデータ経営研究所こどもチーム

■お問い合わせ先

【調査研究・ガイドライン・人材育成プログラム】

株式会社NTTデータ経営研究所

ライフ・バリュー・クリエイションユニット

シニアマネージャー   小林 洋子

ビジネストランスフォーメーションユニット

アソシエイトパートナー 河本 敏夫

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