AIは経済・雇用をどう変えるのか
一橋大学経済研究所教授・宮本弘暁氏と当社代表取締役社長の山口重樹が、生成AIを含む技術進歩が、経済・社会、そして労働市場にどのようなインパクトをもたらすのかを議論しました。
山口がAIに関する議論にありがちな印象論を超えて、経済学の論理で捉え直すべきだという問題意識を提示し、宮本教授がG7の研究メンバーとしての経験や著書『AI大格差』での知見を踏まえて応じます。
対談では、AIの未来に関するレポート「AI2027」を手掛かりに、AGI登場を分岐点とする二つの未来像――開発競争が加速する「レースエンディング」と、ガバナンス重視でスローダウンする「スローダウンエンディング」――を取り上げます。そして、現在を規制と開発競争がせめぎ合う中間地点と位置づけ、技術進化の不確実性を前提に、政策と企業戦略を考える必要性を語ります。
議論はその後、技術の進歩スピードと人・組織の変化スピードのギャップへと移ります。AI時代に重要になるのは、AIの出力の妥当性を見極める経験とスキルであり、経験の浅い人材ほどAIの回答を鵜呑みにするリスクが高いと指摘されます。マネージャーには、業務の目的を再定義しつつ、AIと協働してプロセスを再設計し、全体最適とリーダーシップを発揮する役割が求められると議論されました。
最後に、ビジネスパーソンにとって学び続ける意欲がAI時代の大きな分岐点になることを示し、業務のやり方だけでなく目的そのものを問い直しながら、AI前提のビジネスプロセスと価値創造を構想できるかどうかが、マネージャーやリーダーの真価を分けると結びます。
【 スピーカー 】
宮本 弘暁 教授(一橋大学経済研究所 教授)
山口 重樹(NTTデータ経営研究所 代表取締役社長)
【 目 次 】
- イントロダクション
- AIの進展に対する現状認識
- 経済学から見てAIが雇用・賃金に与える影響
- AIと人間が協業する社会で私たちには何が求められるか


