安全な心理ターゲティングのためのデータガバナンス再設計
コロンビア・ビジネス・スクールのサンドラ・マッツ教授と、当社社長の山口重樹が書籍「MINDMASTERS」をもとにAIの心理洞察について議論した。
教授はAIを単なる自動化の手段にとどまらず、人間の行動や心理を深く理解し、個別化されたデータに基づいて行動変容を促すとともに、多様な分野で一人ひとりへ最適化された支援を実現する強力な技術であると捉えている。
議論の焦点は、「AIによる心理洞察の可能性と、それを安全に社会実装するためのデータガバナンス」であり、精度の高い洞察を行うために私たちの様々なデジタルデータが使用・分析されているが、従来のデータガバナンスで重視されてきた「透明性とコントロール」では不十分であると教授は指摘する。
AIの心理洞察は、教育分野においての一斉授業から子どもの特性や興味に合わせた個別の教育カリキュラムのカスタマイズや、医療分野においての個々の症状・生活リズムに合わせた服薬リマインダーや療法を提供し、行動変容を支援するなど、人手不足の解消や提供できるサービスの質の向上に寄与していると事例を用いて説明している。
最後に教授は、企業がデータを安全に取り扱える仕組みの設計や説明責任を果たし、消費者が自分のプライバシーデータの価値により気づいて監視・参加する役割分担のもとに、AIの利点を安全に享受する形を提案して結びとしている。
【 スピーカー 】
サンドラ・マッツ(コロンビア・ビジネス・スクール教授)
山口重樹(NTTデータ経営研究所 社長)
【 目 次 】
- 書籍MINDMASTERSの概要
- AIによる心理ターゲティングの現状
- 個人データ管理の新たな視点


