AIの真のボトルネックは技術ではなく普及プロセス
プリンストン大学のアービンド・ナラヤナン教授と、当社コンサルタントのジャイ、ヤン・チェン・ハンが「AI as Normal Technology」をテーマに議論しました。
教授はAIを、電気やインターネットと同様に段階的に社会へ浸透していく汎用技術と位置づけ、発明・イノベーション・採用・普及という歴史的パターンから、現在の生成AIブームを「能力はあるが、ワークフローやビジネスモデル、制度設計が追いついていない初期段階」と整理します。
議論の焦点は、「AIのインパクトを過大にも過小にも評価しないために、企業は何に取り組むべきか」であり、真のボトルネックは技術そのものではなく普及プロセスにあり、PoCの成功を業務設計・制度・ガバナンスの変革につなげられるかが競争力を左右すると教授は指摘します。
日本の高齢化・人手不足・終身雇用といった文脈は、AIを「仕事を奪う技術」ではなく「担い手不足を補う技術」として活用しうる土壌になり得るとし、タスク単位の効率だけでなく、仕事全体の質やスキル成長、エンゲージメントを含む広義の生産性を見る必要性が強調されています。
最後に教授は、AIを過度に理想化するのでも、一時的な流行として矮小化するのでもなく、通常技術としての現実的な可能性と限界を見極める姿勢が重要だと伝え、AIの可能性と限界を見極めつつ、倫理・リスク判断と人間中心の設計、トップダウン戦略とボトムアップの実験文化を両立させるリーダーシップが、AIを中長期の価値創造につなげる鍵であると結んでいます。
【 スピーカー 】
アービンド・ナラヤナン(プリンストン大学教授)
ジャイヴァードハン・ラール(NTTデータ経営研究所 マネージャー)
ヤン・チェン・ハン(NTTデータ経営研究所 シニアコンサルタント)
【 目 次 】
- ”普通の技術としてのAI”という考え方
- 汎用技術の普及段階
- ビジネスと日本の文脈におけるAI
- AIの社会的影響

