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顧客戦略へのAIの活用法(コネクテッド・ストラテジー)

2025.08.22
(語り手)ペンシルバニア大学 ウォートン・スクール 経営学教授 ニコライ・シゲルコ
(聞き手)NTTデータ経営研究所 代表取締役社長 山口 重樹
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AIが作り出す新たな顧客接点

ペンシルバニア大学ウォートン・スクール経営学教授 ニコライ・シゲルコ氏 と 当社代表取締役社長 山口重樹との対談は、デジタル技術とAIがもたらす顧客体験について、『コネクテッド・ストラテジー』の枠組みをもとに議論が展開されました。

シゲルコ教授は、新技術を導入する際、顧客課題の解決に軸足を置くことの重要性を強調し、生成AIの価値は単なるコスト削減でなく、継続的な「小さなやり取り」の繰り返しや学習を通じてパーソナライズによる最適化ができる点にあり、人間の能力を補完し新しい顧客体験の創出につながると述べています。

また、「4つのカスタマーエクスペリエンス」— 欲求への対応、キュレーション、コーチング、自動実行 — の段階ごとに、AIの果たす役割や人間の関与の必要性が議論されました。自動実行の領域では、間違いによるリスクや顧客が感じる「魔法と不気味さの紙一重」についても触れ、人間の判断や温かみを活かす適切な介入ポイントを見極める重要性が示されました。

最後に、シゲルコ教授は日本企業に対して、AIを使った新たな顧客価値創造と独自性への集中が不可欠とアドバイスし、技術の主目的に創造性を据え、やることとやらないことを選択して差別化を明確化することが今後の成長の鍵であると締めくくりました。

【 スピーカー 】

ニコライ・シゲルコ(ペンシルバニア大学 ウォートン・スクール 経営学教授)

山口 重樹(NTTデータ経営研究所 代表取締役社長)

【 目 次 】

  1. イントロダクションおよびシゲルコ教授のご紹介
  2. コネクテッド・エクスペリエンスの進化
  3. AIがコネクテッド・ストラテジーに与える影響
  4. コネクテッド・デリバリーモデルにおける戦略的ポジショニング
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Yamaguchi Shigeki
山口 重樹
株式会社NTTデータ経営研究所 代表取締役社長
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Nicolaj Siggelkow
ニコライ・シゲルコ
ペンシルバニア大学 ウォートン・スクール 経営学教授

ペンシルバニア大学ウォートン・スクールの教授で経営、戦略論を担当。マック・イノベーション・マネジメント研究所の共同ディレクターを務める。

MBAおよび学部教育において優れた指導を評価され、MBA教室で最も高い評価を得た教員に贈られるクラス・オブ・1984賞、ヘレン・カーデン・モスアンビル・ティーチング賞、ウォートン賞、ウォートン大学院協会学生選出賞など、数々の教育賞を受賞している。

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