Web3という言葉を目にする機会が増えています。
「次世代型のインターネット」として期待が高まっている一方で、その実現に向けた課題やリスクについて指摘されることもあります。
企業経営や行政政策に携わる人は、Web3をどのように理解すればいいのでしょうか。
デジタル庁の「Web3・0研究会」の座長を務める慶応義塾大学の國領二郎教授、副座長を務める東京大学の稲見昌彦教授をお招きしてディスカッションを行いました。
Web3は分散型のオンライン・エコシステム
本日は、「Web3をひも解く」をテーマに議論したいと思います。Web3は注目が集まる一方、とても多義的に捉えられており、人によってはその本質に関する解釈が異なることも少なくありません。もともとはイーサリアムを立ち上げたギャビン・ウッド氏が提唱した概念で、「ブロックチェーンに基づく分散型オンライン・エコシステム」といった定義が一般的だと思います※1。デジタル庁のWeb3.0研究会報告書では、これを「新しい金融・新しい資産・新しい組織形態・新しい活動空間」といったフレーズで表していました。まず、お二人がWeb3を現在どのように認識しているかということについてお聞かせください。
私がWeb3を説明する際、3つの「分散」で考えるといいと伝えています。1つ目は「アイデンティティの管理の分散」、2つ目は「データの管理の分散」、3つ目が「アルゴリズムの管理の分散」です。この3つを目指しているものの総称がWeb3だと考えると整理しやすいと思います。「アイデンティティの管理の分散」について、例えば、皆さんもグーグルのパスワード管理サービスを利用していると思います。グーグルのアカウントさえ覚えていれば、パスワードを覚える作業から解放してくれる便利なサービスです。ただし、これはGAFAM※2のようなプラットフォーマーにデータを委ねる中央集権的な管理でないと実現できません。「アイデンティティ管理の分散」は、中央管理者への信用が不要なトラストレスなネットワーク構築にシフトし、本人確認に必要な秘密鍵や公開鍵をユーザー自身のウォレットの中で管理し、アイデンティティを証明するという考え方です。「データの管理の分散」は、ブロックチェーンの技術を活用し、個人主導でデータのやりとりや管理をするということです。「アルゴリズムの管理の分散」は暗号資産(仮想通貨)の取引などで注目されていますが、それだけではなく、課題の解決のために、Web3という新しいコンセプトを出さなければならないという背景があるということだろうと思います。
GAFAMのようなビッグテックに管理される世界より、分散型の世界の方が理にかなっているということですかね。
仮想通貨交換業大手のFTXトレーディングの経営破綻をきっかけに、仮想通貨は「冬の時代」に入ったとも言われています。それでもしぶとく仮想通貨が生き残っているのは、ビッグテックのプラットフォームをクラウド上で提供し、管理するという既存のアーキテクチャーが袋小路に入っているためです。ビジネスモデルとしても曲がり角に来ているのではないかと感じています。
利用者側の不満の声もかなり大きくなってきています。
ユーザー、規制当局、さまざまなところから不満の声が上がっています。中でも、プラットフォーム事業者によるアプリの販売手数料が嫌だと感じる人も多いようです。その理由としてプラットフォーム事業者からOKが出るまでサービスがリリースできないといった息苦しさもある。ベンチャー企業の中には「年貢が高すぎる」と話すところもあります。そのあたりが、これまでとは違うアーキテクチャーを望む圧力へとつながっているのだと思います。
Web3とメタバースは文化的側面と技術的側面を分けて考えるべき
メタバースという概念も最近Web3と一緒に語られることが増えています。
メタバースコミュニティの中には、Web3を苦手とするコミュニティ、Web3と一体で考えてほしいコミュニティと、さまざまなコミュニティがあるようです。私はWeb3とメタバースは、理念と期待という点では相似性があると感じています。Web3ではその特徴として非中央集権が指摘されます。ただ、Web3.0研究会でも議論したのですが、日本では、非中央集権と分散とを混同して議論していることが多いのです。「非中央集権」と「分散」とは同じではありません。分散システムだけならデータセンターでもクラウドでもやっているわけです。分散はあくまで技術的背景です。ブロックチェーンは分散型台帳であり、非中央集権台帳ではありません。では、非中央集権とは何かというと、それは理念なのです。その理念が先ほどの息苦しさなどの課題を解決する技術的背景としてそういう分散台帳的なシステムを生み出してきたというのが私の印象です。メタバースもまさに、現実世界、物理世界に息苦しさを感じる人たちのフロンティアなのです。ただし、VRゴーグルは重く、ゴーグルを付けて食事をするのはまだハードルが高い。ゴーグルを付けたまま寝てしまう人はいるようですが(笑)。技術的に衣食住がVRゴーグルでできるわけではありません。ただ、ここでVRの技術が不十分だからメタバースに価値はないと語るのも意味がありません。1980年代にVRの概念を生み出した起業家のジャロン・ラニアーは、早くから人と人とのソーシャル性を重視した製品を作ってきました。メタバースも最初からそれを指向していたと思います。現実世界のくびきから離れたい、ビッグテックのくびきから離れたいという理念が一致するので、Web3とメタバースを共に語りたがる人がいます。しかし、実体の技術の部分で親和性が高いかというと、そうとは限らないと私は考えています。そう話すと「メタバースの中で商取引するために必要じゃないか」と言われることもありますが、それはメタバースでなく、インターネットでできていたわけです。Web3がメタバース独自の価値交換に本当に適しているかどうかはよく分かりません。フロンティアスピリットが近いので期待を集めていますが、まずは文化的側面と技術的側面を分けて考える必要があります。
確かにメタバースプラットフォーマーから「Web3と安直に一緒に括らないでほしい」という声をお聞きしたことがあります。自分たちがこれから目指す方向性には、必ずしもWeb3がなくてもかまわないという意見もあるということでしょうね。
メタバースも巨大なプラットフォームです。それはビッグテックと同じです。メタバースを提供している企業にとっては、そこを通して商取引してくれた方が利益になるかもしれないし、そこの企業の持続可能性につながるかもしれません。ただ、このあたりは、メタバース以前でも、例えばゲーム中のアイテムを現実世界で売買できるリアルマネートレーディングをOKとする会社としない会社がありました。直接的に手数料収入を上げたい企業もれば、自社の外にそういうシステムがあってもいいからコミュニティとして大きくしたいという会社もありました。これはインターネットの黎明期に匿名掲示板サイトの2ちゃんねるなどで、「嫌儲(けんもう)」と呼ばれた人たちが生まれたのに似ています。サイト内の書き込みを営利目的に利用するのはけしからんと考える人たちです。あれから20年経ちますが、文化的な類似性を感じます。そう思う気持ちは大切にすればいいでしょう。メタユニバースではなく、メタマルチバースなので、個々人によってうまく切り分けていけばいいと考えています。ただし、メタバースプラットフォーマーの中にはICO※3などを行ったものの経営破綻しメタバース開発が止まってしまったところもあります。それを見ていて、「自分たちもそうなってしまうのではないか」「投資家が集まってもちょっとうまくいかないといなくなる焼き畑農業になりたくない」というのが、現在のメタバース原住民の人たちの気持ちとしてあると聞いています。
背景にある「新しい世界へ向かいたい」という想い
メガテックの過度な中央集権への反動から、Web3に注目が集まっているという話をしました。この「新しい世界へ向かいたい」というモチベーションはどのようにして生まれたのでしょうか。
たぶん、7、8年に一度ぐらいのサイクルで、そのような潮流が来るようにも思います。世界初の商用ブラウザ「モザイク」が登場したのが1993年です。当時は、学生がどこかの企業のHTMLを書くと、それが日経新聞の一面に取り上げられるほどでした。その後、iモードなどが生まれました。初代iPhoneが登場したのが2007年です。その後は、クラウド上のスマホアプリが普及しました。さらにフェイスブックやツイッターなどのSNSが生まれました。ビットコインが世界に知られるようになったのは2008年です。今までさまざまな変化が起きてきましたが、そう考えると、この15年ぐらいは少し間隔が空いているようにも思います。
新しい世界へ向かいたいと思い始める時期はすでに来ているということですね。ある時代が長く続くと、その時代では解決ができない課題がどんどん蓄積されて、それをブレイクスルーするために新しい時代がやってくると私は考えています。
解けない課題と言えば、ゲーム業界でもよくあるのですけれども、格闘ゲームなどでやりこむ人が増えると、初心者はもう勝てなくなります。学問でもそういうことがあります。技術も同様ですね。そうなると、ベンチャー企業などの参入者はあえて辺境を戦いの場に選ぶのです。だから、イノベーションは辺境からやってくる。ただし最近は、大学を出たばかりのような人が最先端の知識をキャッチアップするまでに時間がかかるようになっています。中には分野にもよりますが、30歳、40歳になるまでそれができないという人もいて、既存の分野のど真ん中からのイノベーションも年々難しくなってきています。だから辺境地の新たな分野を開拓することが大切なのです。
Web3登場の背景には、時代の基本的な様相が変化したということも言える気がします。私は「タイムスタンプ」という技術の普及に、2000年代頃から携わっていました。これはデジタルデータの非改ざん性の証明を行うために使われるもので、今でいうブロックチェーンの基礎となる技術の一つです。ざっくり言うと社会的信頼の基礎となるような国や行政等の存在なしで、純技術的に信頼を構築しようとするアプローチになります。私はこの技術のポテンシャルをかなり高く評価していたのですが、残念ながら当時は、「安定し間違いのない行政機関があるのになぜそんなものが必要なのか」という声が少なからずありました。このような風潮が昨今急激に変化しています。その背景には、コロナ禍やウクライナ情勢の悪化などがあるのではないでしょうか。未曽有の環境変化の中、正解がわからない状況で右往左往している国の様子を見ながら、信頼というものを唯一の主体に求めることの限界と不安が芽生えているように思えます。このような中から新しい分散環境、Web3を望む意見が生まれているのかもしれません。もうひとつ。先ほどお話しした通り、新しい課題が生まれているということもあると思います。具体的には、複数の主体を跨るような枠組みがないと解決できない課題です。例えば戦争によって生じた難民の管理。これは既存国家内では解決できません。トルコ南部で発生した地震においても同じようなことが起こっているかもしれません。主体が跨るという意味では、最近、デジタル人材に関する議論でよく出てくる「マイクロクレデンシャル※4」もそうです。ある個人が教育履歴や資格取得状況などを証明するためには、世界中の大学等の教育機関を跨いだ枠組みが必要になります。このような課題を解決するときにWeb3が活用できる可能性があります。
経済産業省がWeb3の報告書を年末に出しましたね。デジタル庁より少し前のことです。切り口として「トークンエコノミー」を掲げていることに私は注目しました。本人の属性のほか、証明書、タイムスタンプ、ハッシュ関数などを「トークン」で管理するというものです。考えてみると、ブロックチェーンを使うか使わないかはベリフィケーション(検証)をどういうやり方でやるかということの違いであり、どちらでもいいということになります。ただし、ブロックチェーンは国境を越えているような話やトラスト(信用)がないような所にトラストを作るという意味では有効です。大きなところでトークンエコノミーという傘の下にブロックチェーンの世界とブロックチェーンでない世界があり、ブロックチェーンの世界の中にもプライベートチェーンの世界とパブリックチェーンの世界があるという。このあたりが経済産業省らしいなと感じました。確かにそうすればプラットフォームを超えて価値交換ができるメタバースとの親和性は高いですね。
デジタルにおける「トラスト」のあり方
トークンエコノミーにおいてはその価値、すなわちトラストをどう担保するかが大切になります。これまで、トラストの担保は国などがコストをかけて行っていたわけです。それが、たまたまビットコインなどの場合はネットワークの維持に関わる人たちの利益になるようなエコシステムができたのでサステナブルになった。でも何でも価値交換ができるプラットフォームさえ作れば、それが続くとは限りません。持続的な発展という点は、今後も注視する必要があります。
技術があるから大丈夫といった見方をされがちですが、それを維持できる仕組みが必要だということですね。
信用を担保するためにはエネルギーがかかるのです。ちゃんと作るためには、今までもそうであったようにこれからもコストがかかる。むしろコストをかけたから信用が得られると考えることもできます。ブロックチェーン上でトークンを移動させるために、必要ないわゆる「ガス代」を誰が払うのか。国の仕組みで受益者がそれぞれ払うという話になるならば、結局、それは税金のようなものかもしれません。ただし、物理世界において信用を得るよりも、トークンエコノミーでは、より低コスト、高効率でできる可能性はあります。
中央銀行の通貨、すなわち貨幣や紙幣がどうやって信用力を守っていると言えば、多額の税金を使って国家権力のインフラとして基礎的な信用を提供してきた歴史があるわけです。紙の紙幣を作って流通させるのには膨大なコストかかっています。無料ではないのです。
オンラインの世界であったとしても相手と話すとか、音楽や絵など、誰かに何かを作ってあげるとか、何か発信するとか。そういうことを積み重ねて、この人には価値がある、この人は信用できると判断されますよね。大きな時間的価値をかけているわけです。あるいは動作や行動といったモデリングをすごく頑張るとか。
例えばメタバースの中で、あるアバターがいて善行を積み重ねる。そのアバターとアバターの後ろ側にいる人はいい人だとみなされるでしょう。ただし、アバターの後ろにいる人が入れ替わっていたり、アバターを誰かに売り渡してしまったりすることもあり得ますよね。
それは、アバターを法人格のように考えればいいのではないでしょうか。例えばVTuberなどもそうですよね。その法人を運営している人の中によくない人が混じったら法人の信用が落ち、価値が落ちます。また法人であれば、うまくいかなかったら名前を替えてやり直してもいいのです。それが有限責任になるかどうかは分からないですが。ツイッターのアカウントなどもそうですよね。アカウントが炎上したら別のアカウントで始めるといったように。もちろん、せっかく今まで積み重ねてきたのに不謹慎な発言などをして炎上してツイッターをやめなければならないというのはもったいない話ですが。それと似たような話がメタバースの中にもあると思います。
AirbnbやUberなどのマルチサイドプラットフォームでは、借り手と貸し手、相互の信用担保に力を入れていますね。デジタルでのかつ分散環境ではこのあたりも含めて考えていく必要がありそうです。
デジタルにおける信用はフィジカルにおける信用よりも精緻化できると思います。ロングテールではないですが、これまでなら信用の足しになると思われていなかったような細かな行動履歴などの情報も積分すればそれなりの量になる可能性があります。従来型の「年収はいくらで持ち家あり」といったざっくりとした信用よりも、デジタルのほうが明確になります。
利用者の信用力を数字で示す中国の「芝麻(ゴマ)信用」のようなものですね。メタバースの中での行動もすべて見られて数値化されて信頼を計測するデータになると。
個人や法人が複数のペルソナを持つ時代へ
ところで、國領先生がおっしゃったアバターの話は面白いですね。ツイッターのアカウントを複数持っている人は珍しくありません。アバターもいろいろな種類を持っている人もいます。オンラインの活動においても複数のアイデンティティがある。場合によっては仕事だって今後副業が増えていくと、個人という概念、フィジカルなボディというものに対して活動する自分のペルソナ(人物像)が複数ある時代になります。そこの紐づけが現実とのインターフェースだと思うのですが、そこさえある程度合っていれば、むしろ普通の銀行口座を持っているような感覚で使い分けができます。
それぞれが持っている信用度も違うわけですね。
その通りです。それぞれの社会において信用度は異なります。例えば私が今、突然思い立って尺八教室に入ったとしたら、尺八奏者としては信用度ゼロです。
私は家に帰ると信用度が落ちる(笑)。
それは普段の行いが悪いからでしょう(笑)。
複数のペルソナを持ち、それぞれ信用度を高めていくことができるというのは、むしろ利便性があると思います。かつては、すべての信用を一つにまとめていました。あるところで信用ゼロになるともう生活できないという話になっていたのです。それが、こっちでは失敗したけれどもこっち側では頑張っていけるという話になれば、やり直しのきく社会になります。「Web3.0研究会」では、「たくさんチャレンジしてたくさん失敗する『OODAループ※5』をどう回すかがテーマの一つになりました。有限責任のペルソナをたくさん持つことで、個人が新しい挑戦をしやすくなるのではないでしょうか。
C2Cの個人だけでなく、B2Bの法人についても信頼度が測れるような仕組みができるといいですね。企業においても複数のペルソナが使い分けられると面白いです。企業がアライアンスを組むときも、企業単位でなくより細かな組織やプロジェクト単位のペルソナで行うことができれば、よりダイナミックでスピーディーな経済活動ができるようになるかもしれません。
今、トラストサービスの一つとして法人認証を行う「eシール※6」のようなもの作らないと回らないのではないかという検討も行われています。DAO(分散型自立組織)にどのように法人格を与えるべきかという議論も始まっています。
企業だけでなくDAO単位での戦略的提携。十分にあり得る話だと思います。
既存世界への閉塞感が、ここでない世界へ行きたい動機だとするならば、今の個人や法人といった縛りが嫌なんだ!という想いが原動力になる可能性もありますよね。そしてそれが意外に技術の普及を進めるかもしれないですね。
今日の議論の出発点はそこにあるような気がします。
「持ち寄り経済」がWeb3の本質
ある意味でWeb3の世界は極めて個人主義的です。ただそれをやると共同の利益が生まれないので、何らかの形でのコミュニティが必要です。コラボレーションの基盤がない国境のようなところを越えて取引することで、データを持ち寄って一緒に仕事をする価値が生まれます。そのための基盤のようなものを構築する必要があります。私は、現在の個人や法人のモノの交換をベースとした「所有権交換経済」が、将来は「持ち寄り経済※7」に転換していくと考えています。データは、個々の人間が自分の手元にバラバラに持っているのではなく、持ち寄ったとき大きな価値を生み出す性質があります。であれば、データを持つ主体が持ち寄って協力して価値を高めたうえでその果実を分かち合うことに合理性が生まれます。これは、個人が社会に貢献し社会から報いられる経済だとも言えます。アメリカなどに「ポットラックパーティー」というのがありますよね。みんなで料理を持ち寄って、どこかの家でホームパーティを楽しむものです。これに近い経済の形だと思っています。
「ポットラックエコノミー」ですね。とてもイメージがわきました。「共助のプラットフォーム」という言い方もできるかもしれません。確かに、医療とか教育とか防災とか、ある特定のメンバが保有しているデータを全員で共有すると大きな価値を生むような場面は数多くありそうです。そして生成した価値を貢献の量に応じてトークンでフィードバックするわけですね。「ポットラックエコノミー」こそがWeb3において注目すべき本質的な意味にように思えてきました。ただし、実装に向けては技術面、制度面も含めてまだまだ様々な議論が必要になりそうです。
小さな失敗をたくさん繰り返すことが必要だと思います。新しい仕組みに、リスクをとって参入する集団がいます。世の中全体が大失敗する前に色々とやってみて、失敗してその中で暗黙のルールがだんだん紡ぎ出されてきて、場合によっては必要なルールも見えてくるのではないでしょうか。
本日はとても刺激的な議論をありがとうございました。またどこかでお話しさせてください。
Web3用語集
用語 | 解説 | 備考 |
---|---|---|
分散型自律組織 DAO(ダオ) | 意思決定に際し、管理者や企業を持たず集結した人の集まりのことで、 スマート コントラクトにより、ブロックチェーン上に構築される。 多くの場合、各DAO独 自のトークンを購入することでグループに参加でき、プールされた資金の使途や 管理方法に関わる意思決定に投票することが可能となる。 | |
ブロックチェーン Blockchain | 「ブロック」と呼ばれるデータの分散型の単位を生成し、鎖(チェーン)のように連結していくことによりデータを保管するデータベースであり、取引の流れを記録する「デジタル台帳」として使われる。改ざんしにくいため、信頼性が高い。 | 2008年にサトシ・ナカモトという名前を使った人物(またはグループ)が、暗号通貨ビットコインの公開取引台帳としての役割を果たすために発明したもの。なお、いまだにサトシ・ナカモト氏の正体は不明である。 |
トークン Token | デジタルマネーとして通貨や証券のような機能を持ち、権利証として使用されるケースもある。DAOの中での投票権やサービスや商品を所有するための権利の他、決済に利用できるものなど、様々なものがある。 | 語源は「印」や「象徴」など。紀元前に家畜や農産物の数量を記録するために使った粘土の塊が語源とされている。 |
非代替性トークン NFT | トークンの中でも、デジタルデータのIDをつけて世界的に同じものがないという希少性を証明したデジタル資産。 | 新潟県山古志地域が販売する「錦鯉」のデジタルアートのNFT化が最近注目されている。 |
分散型金融 DeFi(ディーファイ) | 金融機関が仲介や管理をしなくても、ブロックチェーンの技術を利用して個人間送金や決済、暗号資産の貸し借りができる仕組み。途上国等でもネット接続環境があれば利用できるが、ハッキングや資産価値変動等のリスクも。 | Decentralized(分散)とFinance(金融)を合わせた造語。 |
分散型取引所 DEX | 主にイーサリアム のスマートコントラクトを活用して構築された非中央集権型の取引所。一般の取引所とは異なり、ブロックチェーンの技術を応用したDeFi を利用し、管理者を介さず個人と個人が直接ウォレットを通じて取引する仕組みをとっている。 | |
分散型アプリケーション DApps(ダップス) | ブロックチェーン上で動作するアプリ。見た目はスマホ等のアプリと変わらないが、データ処理はブロックチェーンで実行されている。改ざんリスクは低いが、処理能力も低く、実行に時間がかかる場合も。 | |
スマートコントラクト(自動契約) Smart Contract | ブロックチェーン上で自動的に契約や取引を交わす仕組み。取引相手の信頼度と関係なく正確かつ高い透明性で契約できる。 | お金を入れると自動的に商品が出てくる「自動販売機」にもしばしば例えられる。 |
クリプトエコノミー Crypto Economy | 法定通貨を使わず、暗号資産に代表される代替貨幣を利用する資産形成やサービスで成り立つ経済圏を指す。 | クリプトとは「暗号」の意。 |
メタバース Metaverse | メタバースは、分散型のインターネット環境においてやり取りされる様々なデータや情報の受け皿となり得るプラットフォームであると考えられており、仮想通貨を用いて現実世界と同じように様々な商品やサービスの取引を行えるほか、アバターによるコミュニケーションを通じて多種多様なデータや情報のやり取りができるので、あたかも現実世界であるかのような体験が可能となる。 | SF作家 ・ ニール・スティーヴンスンによる1992年の著作『 スノウ・クラッシュ 』の作中で登場するオンライン上の仮想世界がその名前の由来。 |