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『情報未来』

当社の研究、コンサルティング、事例から厳選された、お客様の問題解決に役立つ情報誌です。

No.61(2019年3月号)

特集:先端技術活用

「プレインイングリッシュ」ってな~に?

大里 真理子
大里 真理子
株式会社アークコミュニケーションズ 代表取締役

おおさと まりこ
東京大学文学部卒。Kellogg School of Management卒業(MBA)。IBM、ユニデンを経て(株)アイディーエス設立に参画。2005年翻訳サービスとWeb制作サービスを提供するアークコミュニケーションズを設立。2013年早稲田大学スポーツ科学研究科修士課程修了。ダイヤモンド社『HOPE-都市・企業・市民による気候変動総力戦』、『「買う」と決める瞬間 - ショッパーの心と行動を読み解く』などの翻訳も多数。(公社)日本PR協会理事、(公社)日本オリエンテーリング協会理事も務める。

 私たち翻訳会社のお客様のような国境を超えて情報発信する方々は、昨今とみに発信先のグローバル化や多様化に敏感だ。そうしたなか、国際共通語としての英語において、専門用語は使わない、文章は短くするなど、その名の通り「平易な」英語であるプレインイングリッシュがいま、注目を浴びつつある。

 もともとは20世紀に、英国政府の公式発表文書において、すべての国民に伝わるようにと、その必要性を説いた様式。米国でも同じように20世紀にプレインイングリッシュ運動が起こっている。SEC(米国証券取引委員会)のガイドラインが有名だが、一義的にこれを守れば良いとされるルールがあるわけではない。しかし、その考え方は広く共感を集め、今日では英語が母国語ではない人にも伝わる英語として、ビジネスの世界でも使われ出している。

 マニュアル制作の世界では、こうした「平易な」英語はずっと前から採用されている。例えば英語から多言語に翻訳する際、プレインイングリッシュだと翻訳しやすく、言語間のばらつきも少なく、品質が保たれやすい。

 さて、こう書くとプレインイングリッシュが万能のように聞こえるが、必ずしもそうではない。例えばハイブロー感をPRしたいコンサルティング会社が使いたい単語は、そのボキャブラリーから逸脱しているだろう。社長の挨拶文においては、いくらわかりやすくても、普段の社長のイメージと似合わぬボキャブラリーは使わない。

 光栄なことに、巻頭の文章を書かせていただいている私だが、わかりやすさを意識しつつも、自分のスタイルに固執して文章を書いている。言葉はつくづくその国、そのコミュニティ、その人の文化を表していると感じる。

 弊社のミッションステートメントは、「お客様の思いや本質をわかりやすく世界に伝える」である。プレインイングリッシュの枠組み内外からアプローチし、「お客様の思いや本質」がどうしたらわかりやすく伝わるのか、日々、格闘している。