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2015年10月1日

企業間アライアンスの成功と失敗を分ける分水嶺とは?

~ 企業のイノベーション・企業間アライアンスに関する動向調査 ~

株式会社NTTデータ経営研究所

 株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:佐々木 康志、以下 当社) は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本良江)が提供する「NTTコムリサーチ」登録モニターを対象に、このたび「企業のイノベーション・企業間アライアンスに関する動向調査」を実施しました。

 さまざまな業種・業態において、既存事業の延長線上にない “非連続な事業成長(イノベーション創出)” を求める動きが活発化しています。それは、IT/Web系の先進的企業だけでなく、製造業や金融業といった伝統的産業にも及んでいます。非連続な事業成長に当たって、自社リソースを前提とせず、外部の経営資源を結びつけることでユニークかつ効果的な解決策を見出す「アライアンス戦略」への期待が高まっており、特に、業界の垣根を越えて従来にない付加価値を生み出す「異業種間アライアンス」が注目されています。

 一方で、必要性は認識するものの着手に至らないケースや、着手はしたが失敗してしまうケースも多く見られます。もちろん、アライアンスはリスクのある戦略オプションであり、成功の保証はありません。しかし、当社のこれまでの経験から、成功するケースと失敗するケースの違いや乗り越えるべき課題について一定の仮説を立てることができます。

本調査では、オープンイノベーションなど最近活発化している事例も含めて、以下について調査を実施しました。
・ 企業間アライアンス(事業提携、企業買収など)の取り組み動向
・ 成功要因/失敗要因
・ 実施に当たっての課題


【主な調査結果】

  • 1. 企業間アライアンスの目的
  • 「既存市場での新しい製品・サービスの開発(41.2%)」、「マーケットシェアの拡大(36.2%)」、「新しい市場での新しい製品・サービスの開発(34.6%)」 のために実施/実施予定しているとの回答が多い。続いて、「国内外販路拡大(18.9%)」、「コスト削減(18.4%)」、 「技術や知識・ノウハウ・人材の補完(18.2%)」を目的としたアライアンスが多い。アライアンスは短期的に結果が出やすい施策であることから、 売上増に直接貢献する目的での実施が多いことが、特徴としてうかがえる。また、さまざまな目的・シーンでアライアンスが行われていることが分かる。

    参照:アライアンスの目的

  • 2.成功要因と失敗要因 
  • 提携先の選定
    主な成功要因として「アライアンスの目的一致(45.1%)」、「自社にない優れた経営資源の保有(27.6%)」、「ビジョンの類似(22.8%)」といった点が挙げられる。逆に失敗要因としては、「アライアンスの目的不一致(28.2%)」、「信頼関係の期待薄(21.6%)」、「企業文化の相異(20.6%)」が挙げられる。

    参照:アライアンスの成功要因/失敗要因

  • 計画段階
     主な成功要因として「マイルストーン(36.9%)」、「アクションプラン(32.1%)」、「事業収支計画(31.0%)」を事前に策定することが挙げられる。逆に、これらを策定しなかったことが主な失敗要因となっているほか、失敗した要因自体が明確でない、分からないというのが実態として浮彫になった。

    参照:計画

  • 実行段階
    主な成功要因として「各企業の責任範囲の明確化(32.3%)」、「企業間のコミュニケーション促進(32.1%)」、「意思決定方法の明確化(31.9%)」が挙げられる。逆に、これらを明確にしなかったことが主な失敗要因となっている。

    参照:実行


  • 組織体制
    主な成功要因として「コンサルタントなどのビジネスの専門家の活用(35.1%)」、「計画部隊と実行部隊の一致(26.4%)」が挙げられる。逆に、これらを実施しなかったことが主な失敗要因となっている。

    参照:組織体制

  • 3.実施に当たっての課題
  • 契約締結まで
    主な課題として「適切な提携先を見つける(33.9%)」、「アライアンスを推進する人材を確保する(26.9%)」、「アライアンスの事業計画を策定する(19.5%)」ことが挙げられた。

    参照:アライアンス契約を締結まで

  • 契約締結後~運用体制構築まで
    主な課題として「提携先との信頼関係を構築する(34.9%)」、「意思決定方法を明確にする(30.3%)」、「各企業の責任範囲を明確にする(28.9%)」ことが挙げられた。

    参照:アライアンス契約締結後からアライアンスの運用体制構築まで

  • 運用体制構築後
    主な課題として「運用に関わる社員のモチベーションを維持する(25.1%)」、「予定していたスケジュール通りに実行する(24.1%)」、「提携先との情報共有をスムーズに行う(22.9%)」ことが挙げられた。

    参照:アライアンスの運用体制構築以降


< 本調査におけるアライアンスの定義 >

戦略的な目標を共有する企業間で協力関係を結ぶこと。アライアンスの種類は、資本提携、業務提携、技術提携、オープンイノベーションとし、それぞれの定義は下記の通りとする。

  • 資本提携=一方の企業が他方の企業の株式を保有する、または双方で株式を保有しあうことを通じて、事業上の協力関係を構築すること。M&Aも資本提携に内包している。
  • 業務提携=複数の企業が業務上の協力関係を築くこと。販売提携、生産提携も業務提携に内包している。
  • 技術提携=事業上重要な技術を供与する、もしくは相互に供与する関係を構築すること。
  • オープンイノベーション=自社の業務やノウハウ・技術の一部を外部に公開し、広く外部のアイデアや技術を活用して自社の課題を解決する取り組み。

 ※本リリースの掲載の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。



【本件に関するお問い合わせ先】

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株式会社NTTデータ経営研究所
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