このたび2025年7月に「心の健康」投資拡大に向けた産官学の共同事業体(以下、共同事業体)の設立に伴い、会員を募集いたします。
本共同事業体は、産官学のステークホルダーが協力して職域での「心の健康」投資を拡大することで、企業の人材・組織に関する課題を解決し、個人の仕事の生産性やワーク・エンゲイジメントの向上、そして組織のパフォーマンス向上を目指します。
株式会社シード・プランニング(所在地:東京都文京区、代表取締役:梅田 佳夫)、株式会社NTTデータ経営研究所(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:山口 重樹)は、産官学のステークホルダーと共に「心の健康」投資拡大に向けた共同事業体の設立を支援しています。
1. 人・組織の課題を解決する「心の健康」投資とは
心の健康とは、「人生のストレスに対処しながら自らの能力を発揮し、よく学び、よく働き、コミュニティにも貢献できるような、精神的に満たされた状態 1」といわれています。つまり心の健康は従業員の個人的な問題ではなく、仕事や組織のパフォーマンスを上げるために必要不可欠な、企業として取り組むべきものです 2。
心の健康投資とは、企業が従業員の心の健康のために行う取り組みであり、将来的に収益性や企業価値の向上をもたらす「人的資本への投資」と言えます。メンタル不調者対応だけでなくメンタルWell-being向上への取り組みによって、業績や従業員エンゲージメント 3 の向上につなげるものであり、企業経営にプラスの価値をもたらすことが期待されます。
詳しくは、「心の健康」投資・実践ガイドをご参照ください。
( kokoronokenkojissenguide.pdf )
1 厚生労働省, 「令和6年度厚生労働白書」
2 経済産業省, 「心の健康」投資・実践ガイド
3 従業員エンゲージメントとは、「企業が目指す姿や方向性を、従業員が理解・共感し、その達成に向けて自発的に貢献しようという意識を持っていること」として、人材版伊藤レポートに紹介されている
2. 共同事業体設立の背景
職域での「心の健康」投資に関して我が国では、労働安全衛生法により産業医の設置やストレスチェックなどの制度が整備され、企業の取り組みが底上げされてきました。また、健康経営Ⓡ 4 も普及し2024年時点では健康経営優良法人認定制度に申請する法人数は約2万社にのぼります。
一方で、こうした取り組みがコンプライアンス上の取り組みに留まることが指摘されており 5、職場のメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合もまだ十分ではありません 6。また、健康経営施策の課題として「メンタルヘルス不調等の発生予防等」と回答する企業の割合は最も高い状況にあります 7。
他方、近年では、心の健康と仕事の生産性やワーク・エンゲイジメントとの関連が指摘されるようになり、企業の人的資本経営の観点からも、心の健康投資の重要性は今一層高まっています。
そこで、人・組織の課題を解決する本質的な「心の健康」投資の拡大を目指し、サービス提供事業者・雇用主、アカデミア、経済産業省と共に本共同事業体を設立することとなりました。
産官学の共同事業体として取り組むことで、「心の健康」投資を拡大し、個人の心の健康及び組織の課題解決を推進することを目指します。
4 「健康経営 Ⓡ」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
5 経済産業省,令和3年度ヘルスケアサービス社会実装事業(心の健康保持増進に関する製品・サービスの普及に向けた調査事業)
6 厚生労働省, 「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)」
7 経済産業省, 健康経営の推進について(令和6年3月)
8 仕事への活力、熱意、没頭が揃い、仕事へのポジティブで充実した状態のこと
3. 募集する会員種別について
共同事業体は、人・組織の課題を解決する「心の健康」投資の拡大を目的とし、関係者間と連携して普及啓発及びサービスの品質向上・活用促進に取り組みます。本趣旨・活動に賛同し参加いただける会員を募集します。
(ア)一般会員
会費:年会費一口 10万円以上
権利・特典:
- 総会での議決権(1名1個)
- ウェルココへのサービス掲載及び当該サービスを紹介する媒体(Webサイトや営業資料等)に「ウェルココ掲載サービス」のロゴを使用できる権利(一口につき 1サービス)
- 意見募集への参加
- 各種イベントへの参加
- メール等での情報提供
(イ)賛助会員
会費:年会費一口 5万円以上
権利・特典:
- 総会への参加(議決権なし)
- 意見募集への参加
- 各種イベントへの参加
- メール等での情報提供
ウェルココとは、「ウェルココ-職域向け心の健康サービス選択支援ツール-」であり、本共同事業体が運営する心の健康サービスの選択を支援するWebツールです。ウェルココの正式オープンは2025年10月を予定しています。現在、試験的に情報を掲載しているベータ版を限定公開していますので、閲覧を希望する方は以下よりお申し込みください。
4. 会員募集のスケジュール及び申し込み方法
5. 共同事業体の概要
共同事業体は2025年7月に一般社団法人として設立される予定です。取り組みに賛同し参加する会員の会費を活動原資とし、公益に資する活動を行います。一般会員で構成する社員総会が意思決定機関となり、雇用主・アカデミアで構成されるアドバイザリーボード、政府・民間等の連携団体が一体となって活動します。
(ア)活動予定内容
普及啓発:企業において人・組織に関する課題やニーズは山積しており、従業員エンゲージメントの必要性が高まっています。そこで、「心の健康」投資で解決し得る人・組織課題の可視化や「心の健康」投資の意義・価値の啓発に取り組みます。
サービスの品質向上・活用促進:企業にとって「心の健康」投資のメリットや効果、或いは取り組みを支援するサービスの品質や選定基準が不透明という課題があります。そこで、サービスの効果に関する根拠の蓄積やサービス品質に関する情報開示の促進を目指し、雇用主・アカデミア・サービス提供事業者間のネットワーキングや、ウェルココの質の担保・認知拡大に取り組みます。
(イ)発起人一覧(カテゴリごとに五十音順)
2024年度の研究会メンバーが中心となり、共同事業体の発起人として設立準備を行います。
[ 雇用主 ]
- 荒木 郁乃 積水化学工業株式会社 人事部 厚生健康支援グループ 健康推進室長
- 佐藤 光弘 株式会社富士通ゼネラル 人事総務本部(健康経営担当)
- 杉岡 孝祐 SCSK株式会社 人事本部 DEIB・Well-Being推進部 担当部長
- 中村 史恵 日本郵政株式会社 人事部 厚生室 担当部長
[ アカデミア ]
- 池田 浩 九州大学大学院 人間環境学研究院 人間科学部門 心理学講座 准教授
- 井上 幸紀 大阪公立大学大学院 医学研究科 神経精神医学 教授
- 川上 憲人 東京大学名誉教授 東京大学大学院医学系研究科デジタルメンタルヘルス講座特任教授
- 島津 明人 慶應義塾大学 総合政策学部 教授
- 山本 勲 慶應義塾大学 商学部 教授
[ サービス提供事業者 ]
- 株式会社アトラエ
- 株式会社アドバンテッジリスクマネジメント
- 株式会社MD.ネット
- emol株式会社
- 株式会社ジャパンEAPシステムズ
- ピースマインド株式会社
- 株式会社MentaRest
- 株式会社ラフール
- レジリエ研究所
- 株式会社ロブ
6. 参考資料
【今後について】
当社では、本研究会での取り組みやコンサルティングサービスを通じて、健康経営を実践する企業や関連サービスの提供事業者のニーズや課題を収集し、職域における心の健康の保持増進の取り組みを推進できる環境づくりに寄与してまいります。
【本件に関するお問い合わせ先】
【報道関係のお問い合わせ先】
株式会社NTTデータ経営研究所
コーポレート統括本部 ブランド推進部
Tel:03-5213-4016
E-mail:webmaster@nttdata-strategy.com
【製品・サービスに関するお問い合わせ先】
株式会社NTTデータ経営研究所
ライフ・バリュー・クリエイションユニット
大野・中村・斎藤
Tel:03-5213-4110
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