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ニュース・リリース

本実証事業における取り組みの概要

2023.01.10

本実証事業では、高知県安芸地区の基幹産業であるゆず生産における、生産コストの低減、新規就農者の確保および育成を目指し、①モバイルムーバーを用いた自動防除ソリューション、②スマートグラスを用いた新規就農者遠隔指導ソリューション、③自動防除・新規就農者遠隔指導のシェアリングサービスの3つのテーマの実証に取り組みます。

なお、本実証実験ではゆず生産にかかる課題解決をめざすとともに、ローカル5Gの「電波伝搬モデルの精緻化」、「エリア構築の柔軟性向上」についても合わせて取り組みます。

① モバイルムーバーを用いた自動防除ソリューション

防除作業、草刈り作業は重労働かつ年間を通じて作業が必要となるため、生産者の大きな負担となっています。

本ソリューションでは、小回りの利く農機であるモバイルムーバー(運転台車)に農薬散布用ホースおよび草刈り用アタッチメントを装着し自動運転させることで、自動での防除・草刈りの実現を図ります。車両に取り付けた4Kカメラの高精細映像を、ローカル5Gネットワークを介して遠隔監視制御拠点へ伝送し、遠隔監視制御拠点にいるオペレーターが遠隔でモバイルムーバーを監視します。有事の際には緊急停止・緊急発進などの遠隔操縦をすることも可能となる見込みです。

各種作業のための生産者の常時随行が不要となるため、生産者の作業負担の軽減を行うことができると想定しており、防除にかかる作業時間については従来比で50%削減、草刈りにかかる作業時間については従来比で35%削減することを目標としております。実際の圃場で本ソリューションを試験導入することで、機能検証や経営改善効果の検証を行います。

<ソリューションイメージ図>

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② スマートグラスを用いた新規就農者遠隔指導ソリューション

安芸地区では、従事者の高齢化などにより、ゆず生産の新たな担い手の確保・育成が求められています。

本ソリューションでは、Avatourを利用した「バーチャル圃場訪問システム」による新規就農希望者の確保、「遠隔指導システム」による新規就農者受け入れ体制の強化をめざしています。

「バーチャル圃場訪問システム」については、圃場に設置した4K360°カメラの高精細映像を、ローカル5Gネットワークを介してリアルタイムに伝送することで、新規就農希望者向けイベント会場等の遠隔地にいる人々の仮想的なゆず栽培圃場への訪問の実現を図ります。本実証においては、バーチャル圃場訪問システムを従来の圃場見学の代替手段として活用可能なレベルに到達させることを目標としております。

「遠隔指導システム」については、スマートグラス(Vuzix M400)を装着した複数の新規就農者が、ローカル5Gネットワークを介して遠隔指導拠点にいるベテラン従事者から一度に指導を受けられるようにすることで、より効率的な指導の実現を図ります。本システムを活用することで、新規就農者の指導にかかる工数を従来比で33%削減させることを目標としております。生産者の指導する内容としては、ゆずの生産・品質向上に直接的に結びつく作業内容である剪定・病害虫判断・収穫/選別(未経験者対象)を対象とし、遠隔指導による剪定・病害虫判断によって収穫量が従来比で10%増加することを目標として、導入効果の検証を行います。

<バーチャル圃場訪問システムのイメージ図>

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<遠隔指導システムのイメージ図>

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③ 自動防除・新規就農者遠隔指導のシェアリングサービス

生産者が①、②でご紹介したソリューションなどを導入する際の負担を軽減するため、モバイルムーバーやスマートグラスなどの機器を複数の生産者で共同利用し、サービス事業者が自動防除時の遠隔監視や遠隔指導パッケージの提供などを担う「シェアリングサービス」の実証を実施します。

複数の生産者でシェアリングを行うことで、ソリューション導入にかかる生産者のイニシャルコスト、ランニングコストを低減することができるため、より多くの生産者へこれらのソリューションを展開することが可能になると想定しております。本サービスでは、モバイルムーバーやスマートグラス等のスマート農機の導入・利用にあたり生産者が負担するコストを32%低減させることを目標としております。

<自動防除ソリューションのシェアリングのイメージ図>

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<新規就農者遠隔指導ソリューションのシェアリングのイメージ図>

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