令和3年度補正予算
Trusted Web共同開発支援事業費 公募に向けた事前告知

1.趣旨

  • 様々な社会活動のデジタル化が進む一方で、フェイクニュース等のデータそのものの信頼への懸念、先鋭化していくプライバシーリスク、データの取扱いへの懸念からくる産業界におけるデータ活用の停滞、勝者総取り等によるエコシステムのサステナビリティへの懸念など、信頼できる自由なデータ流通(DFFT)を妨げる、様々な歪みが生じています
  • これらの懸念は、データそのものが信頼できない、データのやり取りをする相手を信頼できない、相手方におけるデータの取扱いを信頼できないといった現状が主な原因と考えられます
  • こうした中で、インターネット上で、DFFTを確保する枠組みを構築すべく、特定のサービスに依存せずに、個人・法人によるデータのコントロールを強化する仕組み、やり取りするデータや相手方を検証できる仕組みなどの新たな信頼の枠組みを付加することを目指す「Trusted Web」構想を実現していくことが重要になっています。
  • 株式会社NTTデータ経営研究所(以下、当社)では、デジタル庁より「Trusted Web 共同開発支援事業に係る調査研究」を請け負い、上記の背景や重要性に基づき、Trusted Web の具現化、DFFTの実現に資する、実証事業を公募する予定です。なお、本調査研究については、内閣官房デジタル市場競争本部と連携し、実施を進めていきます。
  • 本実証の公募を通じて、Trusted Webによって具体的に解決される課題を「見える化」するとともに、さまざまな産業分野におけるユースケースを創出し、 Trusted Webの具現化及び国際標準化、ひいてはDFFTの実現につなげていくことを目指します

2.公募の概要

※下記の内容は現時点の想定であり、変更になる可能性があります


  • スケジュールは以下の通り予定しています
    • 公募期間:7月下旬~8月上中旬
    • 審査結果連絡:9月初旬頃
    • 事業実施期間:委託契約締結後~3月上旬
  • 公募は当社のHPで行われる予定です(公募要領等は、公募開始時にHPに掲載します)。実証事業は、当社からの委託契約により実施します
  • 対象となる事業は、現時点で以下の2つの要件を満たす事業を想定しています。今後、Trusted Web協議会等における議論を踏まえて、変更・追加される可能性があります

(1) 持続可能な事業展開を目指す事業において、以下の4つの機能のうち、少なくとも3つの機能に関する課題を有しており、その課題の解決を検証する実証事業を行うもの

① Identifier(識別子)管理機能

データの主体(個人や法人)自らが識別子を発行・管理し、その識別子を自らの様々な属性情報と紐づけながら、自らの属性情報の開示範囲をコントロールでき、これにより、プライバシーや営業秘密の保護を実現する。

② Trustable Communication機能

第三者によるお墨付きやレビュー等を受けた自らの属性情報(卒業証明、検査結果など)を自らが管理し、相手に対し必要な範囲で開示する。受け手は、発行者等に都度照会することなく、属性の確からしさを検証できる。

③ Dynamic Consent機能

データをやり取りする際に、双方で様々な条件設定をして合意を行うプロセスと結果を管理することができる。データのやり取りにおける条件をコントロールし、また、双方の意思を反映し、齟齬があれば動的に修正できる。

④ Trace機能

合意形成のプロセスや合意事項の履行状況をモニタリングし、検証できる。

※詳細は、Trusted Web ホワイトペーパー Ver1.0を参照ください。なお、このホワイトペーパーは現在改定中で、公募開始時に改訂版を公表する予定です


(2) ユースケースの企画(要件定義書の作成)またはユースケースの企画および開発を行う実証事業。
事業において企画・開発するユースケースのイメージや具体例については、以下を参考としてください(あくまで例示であり、他の活用方法を否定するものではありません)。

<ビジネスにおける活用イメージ(例)>

(相互に信頼関係ができていない者同士のデータのやりとり)

  • サプライチェーン管理(例:製品の化学物質管理、脱炭素のトレサビリティ、車載蓄電池の履歴、農業分野の生産予測・調整、受発注プロセス)
  • DX・コロナ後で流動化した人材・資産のリバンドリングやシェアリングサービスにおける相互評価のトラストスキーム(例:転職市場)
  • モビリティ(例:ドローンのセキュリティ・運行管理)、インバウンド(例:海外旅行者の個人情報管理)、防災・減災など他業種にまたがる分野
  • フェイクニュース対策

(確認コストの高い分野・紙等での検証が大量に発生している分野)

  • 金融、保険等の確認コストの高い分野(例:企業の財務・非財務データの共有、マイクロペイメント)
  • 行政手続(例:中小企業DXのための「法人ウォレット」、死亡届)

(個人(法人)によるコントロールのニーズが高い分野)

  • ヘルスケア領域(例:薬の処方や治験におけるバイタルデータの活用、ウェアラブルデバイスからの健康状態の共有)
  • ポストクッキー後の同意スキーム(データ管理・合意形成)(例:情報銀行での代理運用)
  • デジタルコンテンツ分野(例:コンテンツの著作権管理、メタバースのアセット)

(大量のIDやデータを持っていながら、さらなる活用が考えられる分野)

  • 鉄道、航空会社等インフラ事業者、小売事業者など
  • 地方自治体(例:地域通貨)

【具体例(転職市場)】

  • 人口減少や人材需給逼迫の下、採用難が広がる中、採用企業にとっては、採用時のミスマッチを回避すべく、信頼できる情報を得るニーズが高まっている。具体的には、採用企業は応募者本人が作成する履歴書や職務経歴書の内容の確認に加え、応募者の現職または前職の同僚や上司に対し、応募者本人の実績や勤務状況に偽りがないかの確認を行うリファレンスチェックを実施するケースも増えてきている。
  • しかしながら、採用企業からすると、応募者本人やリファレンス提供者について、本人確認や、現職・前職企業の在籍確認などを行うにはハードルが高く、確認手法の信頼性の担保には課題がある。また、応募者やリファレンス提供者の機微な属性情報については、採用企業にとっても、その取扱いに対する信頼性を高める必要があり、応募者本人やリファレンス提供者等の関係者が安心して自らの情報を提供できる環境を整えることが求められている。
  • Trusted Webを適用することで、以下のような効果が期待できる。
    • 本人確認情報や在籍確認情報などを検証可能な情報として渡すことで、転職先企業側の関係者が本人であることや在籍を現実的なコストで確認可能になることが期待できる。
    • 応募者本人やリファレンス提供者が転職先企業に対して、応募にあたって必要な情報のみ転職先企業にのみ開示する形で提供することとし、検証可能な情報への一次アクセスを制御できるようにすることで、応募者本人は、開示先をコントロールし参照履歴も確認することができる。
    • 採用企業において、例えば情報を取得する際の同意や、取得した情報を目的外利用していないことの証明・担保が容易になることにより、情報の取扱いに対する信頼性を高め、これら関係者が安心して自らの情報を提供できる環境を整えることができる。

転職市場に関するユースケースのプロトタイプ開発について説明した動画は、以下をご参照ください。

転職市場、補助金申請や化学物質管理に関するユースケース分析について説明した動画・資料は、以下をご参照ください。

  • 上限金額は以下の通り予定しています。
    • ユースケースの企画のみ(要件定義書の作成) 500万円
    • ユースケースの企画および開発 2,000万円

3.公募に関するお問い合わせ先

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所

E-mail :

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