- 金融取引のきっかけとなるライフイベントは「就職」が1.87件で最多
「就職」や「結婚」「出産」などのライフイベントがきっかけとなり発生する金融取引の数を多い順に整理すると、「就職」が1.87件(1人当たり平均)の金融取引のきっかけとなり、その数が最も多く、次いで「結婚」(1.15件)、「住宅購入」(1.06件)、「出産」(0.83件)、「定年退職」(0.61件)という順になった。
一方、子供のライフイベントが(自身の)金融取引のきっかけとなる割合は相対的に低く、「(子供の)大学入学」が0.35件、「高校入学」が0.13件、「中学校入学」が0.11件という結果となった。
- 「結婚」時に27%が生命保険に加入し、「出産」時に40%が学資保険に加入
「就職」時に行う金融取引は、「普通預金の新規口座開設」が68%で最も高くなっており、次いで、「定期預金取引」が35%、「クレジットカードの新規契約」が33%、「生命保険(貯蓄性)への加入」が22%という結果となった。
同様に、「結婚」時に行う金融取引は、「生命保険(貯蓄性)への加入」が27%で最も高く、「生命保険(掛捨型)への加入」が24%、「普通預金の新規口座開設」が23%で続く結果となった。
「出産」時には、「学資保険への加入」が40%で最も高い結果となった。
- 「就職」時または「大学入学」時に開設した預金口座をメイン口座として利用する割合が高い
一番良く利用する預金口座(メイン口座)およびクレジットカード(メインカード)の契約時点は、何れも、「就職」時(に作ったものを一番良く利用している)と回答した割合が37%(メイン口座)、22%(メインカード)で最も多く、次いで、「大学入学」時が各々10%、6%で就職時に次ぐ結果となった。
長年利用している預金口座やカードに対する利用者の愛着やロイヤリティが感じられる一方、住宅購入ほか、その他のライフイベントによって開設した預金口座や契約したクレジットカードに関しては、メイン化率が低位に留まっている結果となった。
- 「貯蓄が一定水準に到達したから」資産運用取引を開始した割合が36%
何らかのライフイベントを理由に資産運用取引(国債・投資信託・株式等の購入)を開始したと回答した割合は全体の約3割に留まり、残りの約7割はその他の(ライフイベント以外の)理由と回答した。
その他の理由については、「貯蓄が一定水準に到達したから」が36%で最も高く、「利回りが期待できる投資環境になったから」が30%、「資産運用できる時間的余裕ができたから」が25%で続く結果となった。
保有資産額に占めるリスク性商品の割合50%を一つの目安とすると、今回の調査によれば、保有資産額1,000万円以上が低リスク性の資産運用取引を開始する一つの基準となり、資産額2,000万円以上が高リスク性の資産運用取引を開始する基準となることが分かった。
- 高リスク性運用商品で「5%以上」の運用利回りを期待する割合が41%
資産運用商品の購入に際して、期待する年間運用利回りは、低リスク性の資産運用商品は「1%~2%」という回答が25%で最も高く、高リスク性の商品は「5%以上」が41%で最も高い結果となった。
特に、金融に対するリテラシー(後述)が高いほど、高い利回りを期待する傾向にあることが分かった。