1.背景・目的
近年、我が国においては、人口減少や少子高齢化の進展、都市への人口集中、自然災害の多発、行政手続のオンライン化を含む社会全体のデジタル化の進展などにより、社会環境が大きく変化している。こうした中、とりわけ人口減少等が進行する地域においては、自立的な地域経済の維持が困難となり、地方公共団体の支所や金融機関等の物理的な拠点の縮小が進んでいる。
このような状況下において、これまで地方公共団体や各種団体、企業等が提供してきた公的サービスや住民生活支援サービスの維持が大きな課題となっている。これら課題に対応するために、当該サービスの全部又は一部を提供する「コミュニティ・ハブ」※1の実現や普及が期待されており、その実現に当たっては、地域からの信頼を得て運営され、全国に約24,000局のネットワークを持つ郵便局は、中核的な役割を果たしうると考えられる。
こうしたことを踏まえ、地域の持続可能性の確保に向けた郵便局の利活用推進事業(以下「本事業」という。)では、郵便局と地域に必要なサービスの提供主体(自治体や生活インフラサービスの提供事業者等)とが連携し、郵便局を新たな行政サービス・住民生活支援サービスを一元的に提供する「コミュニティ・ハブ」として、地域課題の解決を図り、地域の持続可能性の確保に向けたモデルケースを創出することを目的として、公募により、実証事業を実施する※2。
※1 本事業による「コミュニティ・ハブ」とは、地域住民に対し、行政サービス及び生活支援サービスを一体的に提供する拠点を指す。
※2 公募その他の事務は、総務省の委託を受けたNTTデータ経営研究所が行う。
2.実証事業の公募内容等
(1)申請条件
実証事業の実施者(申請者)は、次の条件を満たす者とする。
ア)実証事業の実施者は、地方公共団体と生活支援サービスの提供事業者等のサービス提供主体が構成員となるコンソーシアム(地方公共団体のみで構成される場合を含む。)とすること。また、当該コンソーシアムにおいて、事業の取りまとめを行う代表機関(以下「実証事業の代表機関」という。)を定め、当該代表機関は、本実施要領に定める事項について、一義的な責任を負うこと。
なお、実証事業の代表機関が地方公共団体でない場合においても、地方公共団体は中心的な役割を担うこと。
イ)コンソーシアムの構成員に、暴力団又は暴力団員の統制の下にある団体が含まれていないこと。
ウ)コンソーシアムの構成員に、総務省又はその他の官公庁からの補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている者が含まれていないこと。
エ)コンソーシアムの構成員に、過去3年以内に情報管理の不備を理由に総務省、その他の官公庁等との契約を解除されている者が含まれていないこと。
(2)公募する実証事業の内容
ア)地域の持続可能性の確保に資する取組として、地方公共団体を中心とした関係主体(地方公共団体や生活支援サービスの提供事業者等)が連携し、郵便局の有する公共性・地域性を活かし、郵便局を「コミュニティ・ハブ」として活用する実証事業を対象とする。
※対象事業に該当するかの判断に当たっては、事前に本事業の実証事務局(NTTデータ経営研究所)又は総務省へ相談すること。
イ)実証事業において実施する取組は、地域課題の解決に資するものとし、原則として2件以上実施すること。なお、当該取組は、以下の留意事項を踏まえた内容とすること。
<留意事項>
- 提案する取組は、提案時に実証地域において郵便局で実施していない取組とすること。
- 提案する取組は、翌年度からの実装を前提とすること。
- 提案する取組が、別紙「これまでの総務省実証事業において明らかになった課題」に掲げるサービスに当たる場合、サービス毎に記載している課題を踏まえ、取組毎に最低1つは当該課題の解決策を含んだ内容とすること。
- 提案する取組は、実証地域に限られず、他地域においても実施可能な汎用性の高い内容とすること。
ウ)実証事業においては、単一の郵便局において行うもの(以下「単一局タイプ」という。)又は複数の郵便局において行うもの(以下「広域展開タイプ」という。)を対象とする。より広い効果が期待できる広域展開タイプの取組を行うことが望ましい。
エ)支弁する実証事業の費用は、単一局タイプについては税込900万円以下、広域展開タイプについては、税込2,000万円以下のため、これを踏まえた提案をすること。
なお、本実証事業における支弁対象経費及び支弁対象外経費は以下のとおりとする。
支弁対象経費
- 人件費、旅費、謝金、広告宣伝費、備品費、借料及び損料、消耗品費、 印刷製本費、補助員人件費、その他諸経費、再委託・外注費
※原則として、高額の設備を導入する場合はリース契約とする。
なお、実証事業の終了後における購入物品の取扱は、実証事務局(NTTデータ経営研究所)と協議の上、実証事業の実施者において適切に管理・活用すること。
支弁対象外経費
- 国、都道府県、市町村等により別途、同一活動の経費に対して補助金、委託費等が支給されている活動に関する経費
- 本事業の目的を考慮せず、営利のみを目的とした活動に係る経費
- 本実証目的の遂行に必要と認められない経費、当該目的の遂行に必要であっても、一般的に合理的と認められる範囲を超える経費 等
※支弁する金額については、支出計画の妥当性等を踏まえ、総務省と実証事務局(NTTデータ経営研究所)との間で協議の上、決定する。
※実証事業に採択された場合は、実証事務局(NTTデータ経営研究所)から提示する「経理処理マニュアル」等に従うこと。
オ)提案する実証事業は、実証事業における取組の一部を外部に委託する際の委託先を含め、必要な情報セキュリティ対策を講ずること。また、実証事業で使用する設備・機器やシステム等については、「IT調達に係る国の物品等又は役務の調達方針及び調達手続に関する申合せ」(令和3年9月一部改正)等に留意し、サプライチェーンリスク対応を含む十分なサイバーセキュリティ対策を講じたものとすること。特に、クラウドサービスの利用等、外部のネットワークへの接続やデータ伝送を伴う場合には、個人情報の管理等を含め、情報の流通経路全般にわたるセキュリティが適切に確保されるよう、情報の流通経路全般を見渡した形で必要なセキュリティ対策等を実施したものとすること。
(3)実証事業の委託に関する事項
実証事業に採択され、実証事業の一部を採択者以外の者に委託する場合には、事前に総務省及び実証事務局(NTTデータ経営研究所)に可否を確認する必要がある。また、実証事業の代表機関は、特定の一社に対して全額を再委託することはできない。
(4)本事業における公募から実証事業の終了までのスケジュール
本事業は、以下のとおり進める予定である。
令和8年5月29日(金)正午:公募開始
令和8年8月上旬:実証事業の実施者の採択
令和8年8月中下旬~令和9年2月:実証期間(目安)
令和9年2月頃:成果報告書案の提出
令和9年3月頃:成果報告会の開催
3.実証事業の実施者の採択
(1)採択方法
申請期限までに申請があった提案の中から、外部有識者で構成する評価委員会において、以下のアの審査方法及びイの審査の観点に従って審査を行い、その結果に基づき、総務省が本年度に実施する実証事業の実施者を採択する。
ア)審査方法
申請のあった提案について、評価委員が、書面審査及び必要に応じてプレゼンテーション審査を行う。
なお、プレゼンテーション審査の実施が必要な場合又は追加資料の提出を求める場合は、実証事務局(NTTデータ経営研究所)から連絡する。
イ)審査の観点
審査は、以下の観点により行う。
そのため、当該観点を十分に踏まえ、申請書類には予定する実証事業について、できる限り具体的かつ網羅的に記載すること。
【1】事業内容及び地域課題の理解
(ア)地域の持続可能性の確保に向けた郵便局の利活用推進事業の目的を理解しており、これを実現するための戦略や計画が検討・立案されているか。
(イ)地域課題の具体的な内容を的確に示しているか(※提案には、可能な限り、定量的データ等により地域課題が示されていることが望ましい。)。
(ウ)取組の内容は地域課題に対応したものになっているか。
(エ)郵便局を活用する意義、郵便局の活用内容が明確に示されているか。
【2】取組の独自性・新規性
(ア)行政サービスや生活支援サービスの組合せにより、取組内容が独自性又は新規性のあるものとなっているか。
(イ)提案する取組が、別紙「これまでの総務省実証事業において明らかになった課題」に掲げるサービスに当たる場合、サービス毎に記載している課題を踏まえ、取組毎に最低1つは当該課題の解決策を含み、当該解決策が具体的かつ実現可能なものとなっているか。
【3】実施体制・役割分担の妥当性
(ア)地方公共団体、民間事業者等、郵便局の実施体制と役割分担が明確に示されており、関係者間の連携により事業を円滑に実施できる体制となっているか。また、地方公共団体が主体的に関与する体制となっているか。
【4】スケジュールの実現性
(ア)取組内容、実施体制及び役割分担を踏まえ、実証事業のスケジュールが現実的かつ実行可能な内容となっているか。
【5】支出計画の適正性
(ア)支出計画が具体的かつ実現可能な内容となっているか。
(イ)人件費、郵便局関係経費、設備調達等を含む経費全体について、積算根拠が明確に示されており、事業内容に照らして合理的な内容となっているか。また、設備調達については、原則としてリース又はレンタルとする方針が合理的に示されているか。
(ウ)帳票整備、自己負担の考え方等が合理的に示されているか。
【6】法的制約・リスクの把握及びその対応
(ア)実証の実施に当たり、想定される法的制約やリスクがある場合、その内容が適切に整理されているか。当該法的制約やリスクに対する対応方針が具体的かつ実現可能な内容として適切に記載されているか。
【7】その他
(ア)翌年度からの実装を前提としており、継続して取組を行うための実施体制、資金計画等に確実性があるか。
(イ)他地域でも実施可能な汎用性のある内容となっているか。
(2)採択結果の公表
採択結果については、総務省又は実証事務局(NTTデータ経営研究所)から、採択された実証事業の代表機関に対して通知するとともに、総務省のウェブサイトにて採択団体名、実証事業の内容等について公表する。
なお、採択・不採択の理由に関する個別の問合せは、受け付けない。
4.実証事業の公募への申請方法
(1)提出期間
令和8年5月29日(金)正午~同年7月10日(金)正午(必着)
※上記期間より前の提出は不可
(2)提出先・応募方法
下記「提出書類のダウンロードはこちらから」より提出書類の雛形をダウンロードの上、必要事項を記入し、本ポータルサイト「提出先」又は電子メールにより提出すること。
【提出先(本ポータルサイト内で提出する場合)】
下記ボタンより提出すること。
【提出先(メールで提出する場合)】
- 株式会社NTTデータ経営研究所 輿石(こしいし)宛
- E-mail:koubo-jimukyoku@nttdata-strategy.com
- 件名:地域の持続可能性の確保に向けた郵便局の利活用推進事業(●●県▲▲市 又は ●●県▲▲市_××××株式会社、一般社団法人×××× 等)
※括弧内は例示のとおり、実証地域の都道府県名及び市町村名を記載すること。また、実証事業の代表機関(地方公共団体又は企業・団体名(1者)を記載すること。
(3)提出書類
(4)提出に当たっての留意事項
本実証事業の公募に申請を検討する場合は、できるだけ早めに日本郵便株式会社(各支社)に対して実施予定内容等を相談した上で、申請を提出すること。
5.公募説明会の開催
6.採択後の流れ等
実証事業の採択後は、以下を予定している。
(1)実証事務局(NTTデータ経営研究所)との契約等
実証事業の実施者の採択後、実証事業の代表機関は、本実施要領の内容に即した仕様書により、実証事務局との契約を締結するものとする。
仕様書の作成に当たっては、実証事務局(NTTデータ経営研究所)の指示に従うものとし、当該契約の履行に関する一切の責任を負うものとする。
なお、契約後は、契約条件等の変更を求めることは認められない。
(2)再委託について
実証事業の代表機関と実証事務局(NTTデータ経営研究所)との契約は、総務省と実証事務局(NTTデータ経営研究所)との請負契約に係る再委託に該当するため、当該契約の締結に当たっては、総務省の指示に従い、あらかじめ、実証事務局(NTTデータ経営研究所)から総務省に対し、再委託の承認申請を行い、総務省の承認を得なければならない。そのため、(1)の契約は、当該申請について、当該承認を得た後、速やかに行うものとする。
また、実証事業の代表機関は、実証事業の実施者か否かを問わず、実証に関する業務の一部を他の企業・団体等に委託する場合は、総務省と実証事務局(NTTデータ経営研究所)との請負契約に係る再々委託等に該当する。
この場合における総務省への承認申請は、総務省の指示に従い、実証事務局(NTTデータ経営研究所)を通じて行うものとし、当該承認を得る前に、再々委託等の契約を締結した場合には、当該契約に係る費用は実証の対象経費として一切認められないため、十分留意すること。
(3)実施計画書の作成
実証事業の代表機関は採択後4週間以内に実施計画書(※)を作成し、実証事務局(NTTデータ経営研究所)に提出するものとする。
なお、実施計画書の内容は、実証事務局(NTTデータ経営研究所)による確認及び承認を経て確定するものとする。
(※)実施計画書は、公募の際に提出した企画提案書(様式1)の内容をもとに、実証概要、支出計画、実施内容、実施体制、業務の内容、委託理由、事業スケジュール等について詳細に記載したもの。
なお、記載に当たっては、審査における評価委員会の外部有識者の指摘等を踏まえるようにすること。
(4)実証事業の実施期間中の進捗報告等
ア)進捗報告書及び課題管理表の作成・報告
実証事業の代表機関は、実証事務局(NTTデータ経営研究所)が別途指定する成果物の納品期日までの間、実証事務局の指示に従い、進捗報告書及び課題管理表を作成し、原則として隔週で報告するものとする。
なお、報告の頻度については、進捗状況等を踏まえ、見直す場合がある。
また、上記に加え、実証事務局(NTTデータ経営研究所)から進捗状況や実証内容の確認を求められた場合は、実証事業の代表機関は速やかに確認の上、報告するものとする。
イ)会議への出席
アによる報告内容等に応じて、実証事務局(NTTデータ経営研究所)は会議(原則:オンライン)への出席を求めることがある。この場合、実証事業の代表機関は当該会議に出席し、実証事務局(NTTデータ経営研究所)の指示に従い、進捗状況等について説明を行うものとする。
ウ)助言への対応
実証事務局(NTTデータ経営研究所)が実証の効果を高めるために必要な助言等を行った場合、実証事業の代表機関は、当該助言等を踏まえた適切な対応を行うものとする。
(5)広報・普及啓発活動
実証事業の実施者は、実証事業の認知向上、利用促進及び地域における理解の醸成を図るため、周知・広報活動を実施するものとする。
例:チラシの配布、ウェブサイトやSNSの活用、実証開始時のセレモニーの開催、メディアへのプレスリリース(報道発表)等)。
また、実証事業の終了後においては、実証事業の成果について、メディア対応やイベント開催等を通じ、積極的に普及啓発活動に取り組むものとする。
さらに、実証期間終了後も含め、総務省が実施する実証事業の成果の普及啓発活動に際しては、実証事業の実施内容に関する資料提供等、必要な協力を行うものとする。
(6)成果報告書の作成及び成果報告会への対応
実証事業の代表機関は、実証事業の実施内容や成果等について、実証事務局(NTTデータ経営研究所)が指示する報告様式に基づき、特段の専門知識を有しない者であっても容易に理解できる表現を用いて、成果報告書を作成するものとする。
また、実証事業の代表機関は、実証事務局(NTTデータ経営研究所)の指示に従い、成果報告会に参加するとともに、資料作成など必要な事前準備を行うものとする。
さらに、実証事務局(NTTデータ経営研究所)が本事業における実証事業全体の成果を取りまとめるに当たり、実証事業の代表機関は、当該取りまとめに必要な情報を適宜提供するものとする。
(7)納入成果物
実証事業の代表機関は、実証成果等について、実証事務局(NTTデータ経営研究所)が指示する報告様式に沿って、以下のアの成果報告書及びイの成果報告書の概要版を作成し、実証事務局(NTTデータ経営研究所)が別途指定する納入期日までに、同事務局に提出するものとする。
なお、成果報告書は、個人情報等を除いて、原則として総務省ホームページにて公開することを予定している。
ア)成果報告書
実証の実施内容及びその成果等について、専門的知識を有しない一般の者であっても、容易に理解できる表現を用いて文書にてまとめること。
成果報告書は、Microsoft Wordを使用し、A4判・50ページ以上(添付資料を含まない)で作成すること。
イ)成果報告書の概要版
実証成果、今後の課題・検討事項、実装に向けての課題等について、簡潔に整理すること。
成果報告書の概要版は、Microsoft PowerPointを使用し、A4判・1ページで作成すること。
7.その他
本事業の実施については、本実施要領のほか、今後新たに取り決めを行うべき事項が生じた場合に総務省が定める事項によるものとする。
総務省が新たに定める事項については、総務省ホームページで公開するものとする。
8.本事業に関する問い合わせ先(事務局)
- 株式会社NTTデータ経営研究所(一次請負事業者)
- E-mail:koubo-jimukyoku@nttdata-strategy.com
- 電話番号:03-6261-4629(輿石・石上)