グリーエネルギーファーム産学共創パートナーシップ

GEFの背景

現在、日本の農業は、下記のような様々な問題を抱えています。

高齢者

後継者不足・労働力不足*1

農業就業者*2の65歳以上の割合は65%にも及び、超高齢化産業となっています。また、平成28年度の農業就業人口は前年度比約8.3%減の192.2万人になりました。1985年度比で、約4割程度に落ち込んでいます。新規就農者数は年々増えているものの、その3割は生活が不安定という理由で離農しています。このままでは、近い将来、日本の農業を支えた多くの高齢者が大量離農することが見込まれ、他産業よりも深刻な労働力不足が懸念されています。
*1:農水省「農林業センサス」より1985年度-2017年度値をもとに計算
*2:15歳以上の農家世帯員のうち、調査期日前1年間に農業のみに従事した者又は農業と兼業の双方に従事したが、農業の従事日数の方が多い者

グローバル競争

農業競争力の強化

日本の農業は、安価な輸入農産物とのグローバル競争にさらされており、農業イノベーション創出による食料安全保障の確立が求められています。また、生産者の所得向上につながる日本産農林水産物・食品の高付加価値化やブランディング、プロモーションなどを早急に強化する必要があります。

温室効果ガス排出削減

環境負荷低減

第21回締約国会議(COP21)で採択された「パリ協定」では、2℃*1を世界共通目標とし、各国が温室効果ガス排出削減に向けて長期的・戦略的に貢献することが必要となっています。日本でも、政府が「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表し、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを目標としています。また、国連食糧農業機関は、食料分野の化石燃料への依存率が高いこと等から、エネルギー利用の効率化、再エネの導入促進等により、農業から食卓までがより「エネルギー・スマート」となることを提唱しています*2
*1:世界の平均気温の上昇を産業革命以前よりも2℃高い水準を十分に下回ること。
*2:国連食糧農業機関(FAO)は、2011年の報告書(人々と気候のためのエネルギー・スマートな食料)において、食料分野が世界のエネルギー消費量の約30%を占め、化石燃料への依存率が高いこと等から、エネルギー利用の効率化、再エネの導入促進等により、農業から食卓までがより「エネルギー・スマート」となることを提唱。
出典:ENERGY-SMART FOOD FOR PEOPLE AND CLIMATE Issue Paper(FOOD AND AGRICULTURE ORGANIZATION OF THE UNITED NATIONS 2011)
http://www.fao.org/docrep/014/i2454e/i2454e00.pdf

こうした状況の中、再エネ及びハイテクノロジーを導入し、“エネルギー消費型農業からエネルギー創造・利用型農業(以下、農エネ併産)への転換”と“高度な知識集約・情報産業化への脱皮”を実現することにより、農家の収益性確保、農業生産力の向上、気候変動対策等に貢献する可能性が開けてきています。

農エネ併産&スマート農業化