官民や業界を超える「クロスインダストリー」の領域で、決済×デジタルを軸に新たな価値創造を追求する

これまで我が国の行政は、「銀商分離（＝金融と商業の分離）」を原則として、「金融のことは金融で、産業のことは産業で」という立場で制度やビジネスが展開されてきました。デジタルが社会・経済に浸透し、「繋がる」ことの効用と付加価値が認識された結果、規制緩和が進み、商流と金流の一体化、金融業による異業種参入、非金融業による金融業参入のような業界を超えた価値創造を目指す取り組みが活発化しています。

私は、「新規事業としての決済・金融」に取り組む金融機関（メガ、地銀、カード会社等）及び事業会社（リテーラー、鉄道、ショッピングセンター等）をクライアントに、新たな顧客体験としての決済・金融サービスのデザイン、業務要件定義、制度対応の支援を行っています。

また、国内外で決済ネットワークや決済事業の企画を支援してきた強みと私が所属するユニットが有する最先端の決済ナレッジを活かし、我が国の決済インフラや決済事業の将来像の策定を支援しています。

決済と金融は、消費者や事業者が豊かに安心して活動するための社会インフラとしての機能を有しています。当社は、この社会インフラを人とITで支えるNTTデータグループのファームとして、クライアントから業界トップレベルの知見と問題解決能力を求められることから、コンサルタントとしてこれに応え続けていく長い道のりその道程で味わえる多くのクライアントや仲間との出会いに、この仕事の醍醐味があります。

2010年～2014年まで上海を拠点にして中国で事業を行う日系企業（コンビニ、百貨店、スーパー等）に対して、NTTデータ上海の仲間と共に新規事業企画の支援を行いました。中国の制度や商習慣をゼロから蓄積し、中国ならではの事業企画支援を経験しました。制度や商習慣の知見のないクライアントのステークホルダーに対して、これまでは「常識」として説明してこなかったような事項を「言語化・可視化」する必要がある等、徹底的に相手にとっての分かりやすさや納得感を追求した期間であり、日本人同士であれば「なんとなく分かった気になる」ことを排すべく、常識を捨てて、新しい視点で課題と解決策を考えて、それを伝えるための能力が血肉として身についたと実感しています。

また、当時の中国は経済発展のスピードが著しく、先月まで立っていた建物があっという間に更地になり、そこに高速道路が建設されるような時期でした。このような社会に単身飛び込み、高度経済成長期における企業活動に触れながら異文化で生活したことは、コンサルタントとして様々な切り口で「モノを見る」ことの重要性を再認識した貴重な経験になりました。