2016年3月24日
「企業グループのマイナンバーへの取り組み実態とその成否に関する調査」
問題なく進められているのは約半数、カギは親・中核会社のリーダーシップとシェアードセンターの徹底活用
株式会社NTTデータ経営研究所
株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:佐々木 康志) はNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本良江)が提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に、このたび「企業グループのマイナンバーへの取り組み実態とその成否に関する調査」を実施しました。
マイナンバー制度開始から約3か月、多くの企業でその対応に苦慮しているといわれています。特に従業員数や事業所の多い企業グループ(※)では業務への影響が大きく、どのように取り組むかが課題となっていました。そこで本調査では、企業グループに焦点を当て、マイナンバー対応への取り組み状況を調査しました。
その結果、現時点で必要な対応が問題なく進められているのはおよそ半数にとどまっている状況と、親会社や中核会社がリードし、グループ内の間接業務を集約して行うシェアードサービスセンター(SSC)を全面的に活用している企業グループほど順調に進んでいる傾向が判明しました。
※企業グループに属する企業が全企業に占める割合:企業数:5% / 事業所数:21% / 従業員数:45%(*)
【背景と調査の視点】
2016年1月からマイナンバー法が全面施行され、企業が官公庁に提出する書類に従業員や個人取引先のマイナンバーを記載する義務が課せられました。
各企業は、限られた時間で、十分な安全管理措置を講じながらマイナンバーを収集し、またそれらを管理する仕組みを構築する必要があります。特に企業グループにおいては、同時期に、複数の企業に対して、類似の、しかも厳格な対応を行うことが求められました。
このことを考慮すると、マイナンバー対応は単なる制度変更ではなく、大規模かつ広範な業務変革のひとつと捉えることが出来ます。従って今回の対応を振り返ることで、グループの業務最適化・効率化や業務改革への取り組み方、ひいては企業グループのマネジメントの在り方を見直す良いきっかけになると考えられます。
そこで今回の調査では、企業グループがマイナンバー対応にどのように取り組んだか、その結果どの程度適切に進められているのか、運用開始直後の実態と成否を把握したうえで、うまく対応できている企業グループの特徴を探り、今後に対する示唆を得ることを試みました。
【主な調査結果】
- 1.グループ企業におけるマイナンバー対応概観
- 2.マイナンバー対応の取り組み体制
- 3.マイナンバー対応のアウトソーシング
- 4.マイナンバー対応におけるシェアードサービスの活用
- グループ内にシェアードサービスセンターがある場合は、その8割がマイナンバー対応に関与。
- シェアードサービスセンターが関与する場合、検討・推進を全面的に担っている【SSCフル活用型】は約1/3である。そのケースでは対応がうまく進む割合が6割以上と、一部担っている/全く担っていないケースよりも14%高い。
- シェアードサービスセンターが一部担っているケースでは対応がうまく進む割合は約5割で、これは全く担っていないケースと同じ水準である。
- アウトソーサーを利用していない場合においても、シェアードサービスセンターが全面的に検討・推進を担っているケースでは約7割が問題なく進めており、一部担っている/全く担っていない場合に比べて2割以上高い。
- 【完全リード型】体制かつ【SSCフル活用型】の企業は全体の4%存在。その8割以上がマイナンバー対応を問題なく進めており、全体平均の約1.5倍(平均+26%)と高い水準である。
- 5.今後のグループ経営とシェアードサービスセンターの活用
*出典:「平成21年経済センサス‐基礎調査結果」(総務省統計局)
http://www.stat.go.jp/data/e-census/2009/kakuho/gaiyou/pdf/o_gaiyou.pdf
を基にNTTデータ経営研究所で作成
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