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2013年9月13日

応用脳科学コンソーシアム

応用脳科学R&D研究会「コンフォータブルブレイン研究会」を発足

~ 脳活動と関係のあるホルモンの検査を通じた製品評価・開発の革新を目指す ~

株式会社NTTデータ経営研究所

 株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:豊田 充、以下 当社)は、2013年10月より、当社が事務局を務める応用脳科学コンソーシアム※注1(英文名:Consortium for Applied Neuroscience、略称名:CAN)において、応用脳科学R&D研究会「コンフォータブルブレイン研究会(以下、本研究会)」を主催・発足します。本研究会の取り組みを通じて、脳活動の変化を反映するホルモン検査や脳活動に影響しうるホルモン検査を活用した製品評価・開発の革新を目指します。


【本研究会の目的】

 今までは脳の活動の結果としてのホルモン分泌が注目されていましたが、近年になってホルモンが脳活動へ与える影響についての研究が進んできています。オープンイノベーションを目指し異業種企業により形成される応用脳科学コンソーシアムの中に設置される本研究会では、製品評価に使われつつある脳活動と関係のあるホルモンの検査について、異分野のさまざまな商材などに対する製品評価の実現と結果の分析、蓄積を行い、これまでにない新たな切り口の製品開発への応用を目指します。

(1)ホルモン検査による網羅的な製品評価

 脳活動と関係のあるホルモンは多数知られていますが、これらに対する簡便かつ標準的な評価の手法や基準が確立されていないという課題があります。本研究会では、この課題に対して、複数のホルモン検査を用いた網羅的な製品評価手法の構築や、試験的な商材評価の実施を通じた簡易計測手法や、商材や目的に応じたホルモン検査の使い分け指針の開発を目指します。

(2)ホルモン検査を活用した戦略的な製品開発

 ホルモン検査は製品を評価する1つの手法として活用されつつあるものの、新しい製品開発の発想を生み出すには至っていないという課題があります。本研究会では、この課題に対して、ホルモンによる脳への影響に関する最新の学術的な知見を活用して、ホルモン検査と脳科学に基づくこれまでにない発想の商品開発手法の実現につなげます。


【本研究会へご参画いただく研究者】

 今年度の本研究会では、世界的にもロボット研究において著名で、ロボットと人間との関係性評価にホルモン検査を活用している大阪大学 石黒浩教授(株式会社国際電気通信基礎技術研究所 石黒浩特別研究室 室長)に参画いただく他、医師であり痛み研究やホルモン検査の専門家である大阪大学 中江文特任准教授、脳科学を専門とするサセックス大学 金井良太准教授、身体感覚研究を専門とする株式会社国際電気通信基礎技術研究所 住岡英信研究員に参画いただき、議論・検討を進めます。

【背景】

 これまで、企業における製品開発において、丈夫さや軽さ、処理速度といった物理的な指標や性能に基づいた開発が行われてきました。しかし、モノにあふれた昨今において、これらの評価指標だけでは消費者の心を動かすことは非常に難しくなってきています。このような状況を踏まえ、消費者の心を本当に満たす製品の開発の新たな方法論の一つとして、多くの企業が脳神経科学、心理学などの活用を模索しています。

 このような取り組みにおいて、現在では、脳波計や磁気共鳴画像装置(MRI)を使った脳の活動状態を画像的に捉える手法が主に用いられていますが、これらの手法には、利用条件の制約や、長期間にわたる脳の変化に対する評価が困難であるという課題が存在しています。そのため、脳がどのように感じているのかを脳活動の結果を直接反映する生体内の分泌物であるホルモンを解析することにより明らかにしようとする試みが近年注目されてきています。この手法のメリットは、大がかりな解析機器を必要とせず、さまざまな環境において測定が可能であることが挙げられます。既に一部の先進的な企業では、人がストレスに反応する際に放出されるホルモンであるコルチゾールの血中濃度から食事や飲み物によってどの程度リラックスできるかを分析したり、唾液中に含まれるホルモンであるアミラーゼの量によってオフィスや住宅において人が受けるストレスを分析したりといった取り組みがなされています。

 さまざまな環境下において人体が受ける刺激の情報は、感覚器から末梢神経を介して脳に届けられ、この刺激に基づく脳からの指令は交感神経系や内分泌系といった情報伝達の系を介して全身に伝達されます。その際の情報伝達の担い手として、さまざまなホルモンや神経伝達物質が知られており、これらの体内濃度を測定することで、人が空間や食品といったものから受けるストレスや快適性といった精神的な価値の包括的な定量化ができると考えられています。そのため、上記の例にみられるようなホルモン検査の製品開発への積極的な活用が期待されています。

【本研究会への参加企業】

 家電・医薬品・化粧品・飲料・自動車・精密機器メーカーや、情報・通信企業、広告代理店など、多様な企業の参加が決定しており、今後、さらに参画企業を募集いたします。

【本研究会への参加方法】

 応用脳科学コンソーシアムは、異業種連携によるオープンイノベーションをいっそう推進するために、引き続きコンフォータブルブレイン研究会へご参加される企業を募集しております。コンフォータブルブレイン研究会へのご参加には、応用脳科学コンソーシアムの特別会員※注2またはR&D研究会員※注3となる必要があります。詳しくは応用脳科学コンソーシアムWebサイト: http://www.keieiken.co.jp/can/をご覧ください。


※注1: 応用脳科学コンソーシアムとは、当社が日本神経科学学会の協力を得て設立した、異業種の民間企業と異分野の研究者が一堂に会し、脳科学およびその関連領域の最新の研究知見を基盤に、「研究開発」「人材育成」「人材交流および啓発」に取り組む、オープンイノベーションモデルのコンソーシアムです。40社を超える民間企業様に参画をいただき、複数のR&D研究会のもと幅広い研究活動を進めております。応用脳科学コンソーシアムWebサイト: http://www.keieiken.co.jp/can/

※注2: 特別会員は、ステアリングコミッティの構成委員として、応用脳科学コンソーシアムの運営において中心的な役割を果たします。また応用脳科学R&D研究会を1つ主催する権利や、他社が主催する応用脳科学R&D研究会へのご参加を希望する権利があります。さらに応用脳科学アカデミーや応用脳科学ネットワークに参加できます。特別会員のコンソーシアム会費は、450万円/年(初年度は別途入会金150万円が必要)です。

※注3: R&D研究会員は、応用脳科学R&D研究会1つに参加できます。さらに応用脳科学アカデミーや応用脳科学ネットワークに参加できます。R&D研究会員のコンソーシアム会費は、原則150万円/年(初年度は別途入会金50万円が必要)です。



本件に関するお問い合わせ先

■ 報道関係のお問い合わせ
 株式会社NTTデータ経営研究所
 コーポレート統括部
 井上、石渡
 Tel:03-3221-7011 (代)
 E-mail:webmaster@keieiken.co.jp

■ 内容に関するお問い合わせ
 株式会社NTTデータ経営研究所
 マネジメントイノベーションセンター
 マネージャー 山川
 シニアコンサルタント 福田
 Tel:03-5213-4160(代)
 E-mail:can-neuroscience@keieiken.co.jp

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