2010年5月21日
エネルギーハーベスティングコンソーシアムの設立について
~ エネルギーハーベスティング技術(環境発電技術)の
早期の国際的に競争力のあるビジネス化を目指して ~
株式会社NTTデータ経営研究所
【概要】 アダマンド工業株式会社、シチズン時計株式会社、株式会社豊田中央研究所、日本電気株式会社、パナソニック エレクトロニックデバイス株式会社、株式会社富士通研究所、富士フイルム株式会社、ブラザー工業株式会社、株式会社村田製作所、株式会社 山武、ルネサス エレクトロニクス株式会社、ローム株式会社、および株式会社NTTデータ経営研究所(事務局)は、「エネルギーハーベスティングコンソーシアム」(以下、当コンソーシアム)を発足しました。 エネルギーハーベスティング技術とは、周りの環境からエネルギーを収穫(ハーベスト)して、電力に変換する技術のことで、別名「環境発電技術」と呼ばれています。欧米では活発な研究開発・実証が行われ、蓄電技術や無線技術等と統合した完成度の高い製品が多数、市販されています。ところが、我が国においては、個別企業が優れた要素技術を有しているにも係わらず、その商品化・実用化に向けた動きは必ずしも活発ではありません。
【経緯】 熱・振動・電磁波など様々な形態で環境中に存在するエネルギーを電力に変換するエネルギーハーベスティング技術は、充電・取り替え・燃料補給なしで長期間エネルギー供給が可能な電源として、「いつでも、どこでも、誰でも、何でも」ネットワークにつながるユビキタスネット社会や、モノのインターネット(Internet of things)の実現に必須の技術です。 単に発電方法がクリーンなだけでなく、低炭素社会の実現に向けて、スマートグリッドや物流管理をはじめとする各種環境情報の計測・可視化や省エネ制御のための環境埋め込み型センサーネットの電源への適用が期待されています。さらに、自動車の安全性や燃費向上のためのタイヤ空気圧センサー(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)用電源、ウェアラブル機器の電源、心臓ペースメーカ等の人体埋め込み機器やコンタクトレンズ型センサーの電源など、安心・安全な社会の実現に向けて様々な応用展開が考えられている画期的な技術です。 このように大きなポテンシャルを持つエネルギーハーベスティング技術ですが、我が国における事業化の取り組みは、欧米に比べて10年遅れている状況です。欧米では、様々な政策的支援にも支えられて、完成度の高い製品を開発・販売するベンチャー企業が数多くあり、企業間の連携や標準化の動き、我が国への製品の流入も始まっています。それに対して、我が国では、今まで、研究開発に取り組む大学や企業も少なく、発電デバイスのプロトタイプが若干発表される程度でした。 しかしながら、腕時計に代表されるように、本来は我が国製造業が得意とするものづくり技術分野であり、今後の世界的な市場拡大に向けて、グローバルな展開も期待できます。 当コンソーシアムは、具体的な活動として、欧米における最先端情報の収集・分析、コンソーシアムメンバー間の連携によるパイロットプロジェクトの創出、市場創造に向けた政策提言や情報発信、国内外の優れた技術を有する企業との連携、標準化の検討等を想定しています。 初年度においては、関連最新情報の収集・分析、メンバー間の情報交流、市場創造に向けた情報発信を中心に活動を展開することとし、広く参加企業を募ります。
【エネルギーハーベスティングコンソーシアム参加会社一覧】(2010年5月14日時点) アダマンド工業株式会社
【活動期間】 初年度:2010年5月~2011年3月 以上
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◇株式会社NTTデータ経営研究所
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