(*1) 「gooリサーチ」 ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントが企画・実査・集計を行う、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービス。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(6.8万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(4.4万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.5万人)を含め、総計157万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応している。(モニターの人数は2007年8月現在) |
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本調査結果は、「性別」、「年齢」、「職掌(役職の有無)」の基本属性以外に、本調査内における下記の2つの視点を分析軸(切り口)として設定している。 1. 仕事に対するモチベーションが高いかどうか(=やる気の高さ)
2. 組織内で優秀な人材であるかどうか(=能力の高さ≒評価結果の高さ)
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(1)現在の仕事にどの程度満足しているか? さらにこれを、モチベーションの高低によって比較すると、「モチベーション高位層」は8割以上(83.2%)が満足している一方で、「モチベーション中位層」は6割弱(57.8%)、「モチベーション低位層」はわずか1割(11.7%)と、大きな違いが見られた。仕事に対する満足感が、そのまま仕事へのモチベーションに大きく影響することがはっきりと伺われる。また一方で、評価結果の良し悪しとの関係を見てみると、「評価上位層」の満足度が8割弱(77.2%)であるのに対し、「評価中位層」は6割強(65.5%)、「評価下位層」は3割弱(28.9%)と、大きな開きが見られた。仕事の満足度を考える際、評価結果が良いかどうかが大きく左右することが見てとれる。 <付表>Q: あなたは、現在の仕事にどの程度満足していますか?![]() (2)現在の会社に忠誠心や愛社精神を持っているか? これを、モチベーションの高低によって比較すると、「モチベーション高位層」における忠誠心のある割合(「強く持っている」と「ある程度は持っている」の合計)は、76.2%と圧倒的に高く、「モチベーション低位層」はわずか14.9%と、かなり大きな開きが見られた。企業力を高める原動力ともいえる社員のモチベーションの高さが、会社に対するロイヤリティに大きくつながることを物語っている。評価結果の良し悪しとの関係では、「評価上位層」の忠誠心が約7割(69.9%)であるのに対し、「評価中位層」は約6割(58.6%)、「評価下位層」は3割弱(27.6%)と、評価結果の違いによる格差が生じている。組織内における自分の位置付けが低いと思えば、自ずと組織(会社)へのロイヤリティも低くなってしまうことが想像できる。 <付表>Q: あなたは、現在の会社に対して忠誠心、あるいは愛社精神を持っていますか?![]() (3)現在の会社であと何年くらい働こうと思っているか? 「5年未満」での転職意向率を、モチベーションの高低で比較すると、「モチベーション高位層」は21.7%、「モチベーション中位層」は29.1%、「モチベーション低位層」は41.5%と、仕事へのモチベーションが低いほど、やはり早めに転職しようという意向が伺われる。しかし、これを評価結果の違いで見てみると、「評価上位層」と「評価下位層」の比較では、「10年以上は勤めるつもり」と答えた割合に開きがあるものの(各15.1%、3.1%)、他項目ではそれほど際立った格差は見られない。評価結果の良し悪しと転職意向は、さほど大きな関連性はないようである。 <付表>Q: あなたは、現在の会社であと何年くらい働こうと思っていますか?![]() (4)現在の年収にどの程度満足しているか? これを、モチベーションの高低によって比較すると、「モチベーション高位層」は過半数(53.0%)が現在の年収に満足している一方で、「モチベーション中位層」は36.6%、「モチベーション低位層」はわずか17.0%と、大きな違いが見られた。年収が満足できる水準にあるかどうかが、結果として、仕事に対するモチベーションに多かれ少なかれ影響を及ぼしていることが伺われる。また一方で、評価結果の良し悪しで比較してみると、「評価上位層」の年収満足度が約6割(58.2%)であるのに対し、「評価中位層」は約4割(42.2%)、「評価下位層」は約2割(18.0%)と、大きな開きが見られた。近年の成果主義賃金の普及により、高い評価を得た者が高い処遇を得られるという構図が如実に表れた結果であるといえよう。 <付表>Q: あなたは、現在の年収にどの程度満足していますか?![]() (5)年収があと最低どのくらいあれば満足するか? これを男女別に比較すると、「100万円未満」とする割合は男性で20.2%であるのに対し、女性では48.8%に達しており、男性に比して女性の場合は、より小額の処遇条件の改善によって満足度の向上が期待できることが推察される。年齢別の比較においては、やはり中高年層よりも若年層の要求金額の方が低く、20代では「100万円未満」とする割合が過半数(50.8%)に達した一方で、50代では「100万円以上」とする割合が8割強(80.8%)にも達した。 また職掌別に比較してみると、役職が付いているかどうかで要求金額に大きな差があり、「役員層」では、「200万円以上」とした割合が8割にも達している。 <付表>Q: あなたは、年収があと最低どのくらいあれば満足しますか?![]() (6)職場の上司との関係は良好だと思うか? これを、モチベーションの高低によって比較してみると、大きな格差が存在しているのがわかる。上司との関係を「良好だと思う」と答えた割合は、「モチベーション高位層」では7割強(70.6%)であるのに対し、「モチベーション中位層」では5割弱(47.5%)、「モチベーション低位層」では約3割(30.4%)と、大きな違いが見られた。モチベーションの高いビジネスパーソンは、上司との関係においても、積極的かつ前向きに働きかけていることが予想され、このことが双方の関係性を良好に保っているであろうことが推察される。また、評価結果の良し悪しの比較においても同じような傾向が見られ、「評価上位層」による「良好だと思う」の割合が7割強(73.0%)であるのに対し、「評価中位層」は6割弱(57.6%)、「評価下位層」は3割弱(29.1%)と大きな開きが見られる。高い評価を得ることと、上司との関係が良好であることの相関性が伺われる。 <付表>Q: あなたは、職場の上司との関係は良好だと思いますか? (7)部下との関係は良好だと思うか? モチベーションの高低による比較を見ると、部下との関係を「良好だと思う」と答えた割合は、「モチベーション高位層」では7割弱(67.5%)であるのに対し、「モチベーション中位層」では6割弱(58.9%)、「モチベーション低位層」では約3割(34.6%)と、ここでも大きな違いが見られた。モチベーションの高いビジネスパーソンは、上司のみならず部下との関係においても良好な関係性を築けており、結果として自らのモチベーションを好循環で維持していることが想像できる。また、評価結果の良し悪しの比較においては、更に顕著な傾向が表れており、「評価上位層」による「良好だと思う」の割合は8割近く(78.2%)に及んでいるのに対し、「評価中位層」は約5割(55.4%)、「評価下位層」は3割弱(44.2%)と大きな差が見られた。 (8)「仕事」に対して何を強く求めるか? この結果を、評価結果の良し悪し(=優秀な人材であるかどうか≒組織における位置付けの高さ)で比較してみると、「評価上位層」で最も高いのは「知識やスキル、ノウハウを習得できること」(60.2%)であるのに対し、「評価下位層」では「自分の能力やセンスを活かせること」(61.5%)と、大きな違いが見られた。この「評価下位層」においては、「知識やスキル、ノウハウを習得できること」は45.5%と半数を割っており、この層が、新たな知識やスキルの習得よりも、自分の持っている能力をまず活かしきることに強く意識が向いていることがわかる。 (9)「会社」に対して何を強く求めるか? この結果を、評価結果の良し悪しで比較すると、「評価上位層」で最も高いのは「業績が伸びており、将来性が感じられること」が50.0%を占めているのに対し、「評価下位層」では「給与水準(月給・ボーナス等)が高いこと」が圧倒的に高く62.8%に達している。この「評価下位層」における「業績が伸びており、将来性が感じられること」の割合は37.8%にすぎず、この層が、将来的な会社の成長を通じて得られるメリットよりも、現実的なリターンを強く望んでいることが伺われる。 (10)「上司」に対して何を強く求めるか? この結果を、評価結果の良し悪しで比較してみると、「評価上位層」と「評価下位層」の両者において、「能力が高く、人間的に魅力があること」が上司に求めるものとして最も高く、共通しているが、特に「評価上位層」において6割近く(56.8%)にも及んでいるのが特徴的である。両者の比較において顕著なのは、「部下に対する育成指導・コーチングをしっかり行うこと」で、「評価上位層」における割合が約2割(22.3%)にとどまっているのに対し、「評価下位層」では4割強(43.6%)とかなり高い水準にのぼっている。「評価下位層」にとっては、やはり自らの業績向上が課題であるため、上司からの指導や教育を切に望んでいる様子が伺われる。 (11)「職場」に対して何を強く求めるか? これを、評価結果の良し悪しで比較してみると、最も高い項目は「評価上位層」、「評価下位層」とも「職場のコミュニケーションが良好であること/職場の雰囲気がよいこと」(各51.0%、55.8%)と共通しているが、顕著な差があるのは「人を育てる風土があること」であり、前者が43.2%であるのに対し、後者では52.6%と過半数に達した。また、「信頼でき、頼もしい上司がいること」も、前者がわずか26.7%である一方で、後者では半数近く(45.5%)にも及んでいる。「評価下位層」にとっては、自らの成長を後押しするような「風土」、「仕組み」、「上司」の3要素が不可欠であり、自らが働く職場に対して総合的な要望を抱いている様子が見てとれる。また、本設問においては、総じて「評価下位層」の割合の方が高い数値が出ていることも特徴的であるといえる。 (12)上司の「強み」「弱み」と思われるものは何か? 一方、「弱み」について尋ねた結果では、「指導力・育成力」が32.7%で最も高く、以下「統率力・リーダーシップ」(30.4%)、「人間的な器の大きさ」(24.5%)、「判断力・決断力」(20.0%)、「包容力・優しさ・思いやり」(19.9%)が上位5項目となった。逆に下位項目となったのは、「メンタルタフネス(精神的な強さ)」(10.4%)、「(業務に関する)豊富な経験や人脈」(11.3%)、「論理的思考力」(11.5%)等であった。「弱み」としてあがった項目は、部下からの期待に比して「強くない(=強化して欲しい)」とみなされているものであり、上司として強い認識が必要である。 (13)上司に強化して欲しい能力は何か? (14)部下の「強み」「弱み」と思われるものは何か? 一方、「弱み」について尋ねた結果では、「判断力・決断力」が25.8%で最も高く、以下「交渉力・説得力」(24.2%)、「積極性・行動力」(22.5%)、「(業務に関する)高度な知識・スキル」(22.5%)、「統率力・リーダーシップ」(19.7%)が上位5項目となった。逆に下位項目となったのは、「包容力・優しさ・思いやり」(6.3%)、「人間的な器の大きさ」(10.5%)、「協調性・関係調整力」(10.7%)等であった。「弱み」としてあがった項目は、上司からの期待に比して「強くない(=強化して欲しい)」とみなされているものであり、部下として意識して強化していく必要がある。 (15)部下に強化して欲しい能力は何か? |