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2017年10月6日

国内初「Sports-Tech Landscape」2017の公表

株式会社NTTデータ経営研究所

株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川島 祐治、以下 当社)は、日本におけるスポーツビジネスの活性化とスポーツ関連のIT産業への投資促進を目的に、現時点でのスポーツテック業界を俯瞰する「Sports-Tech Landscape」2017を国内で初めて公表しました。

【背景・目的】

 日本のスポーツビジネスを成長産業とすることについては、政府の「日本再興戦略 2016」でも目標とされているところですが、15兆円市場への成長に向けた具体的な道筋は見えていません。デジタルテクノロジーがその起爆剤となることが期待されているものの※1、欧米に比べてスポーツを対象としたITソリューションの市場は発展途上といえます。

 それを象徴するように、海外で「Sports-Tech market map」や「Sports vendor landscape」という形でスポーツに関わるスタートアップやITベンダーの俯瞰図が存在しますが、日本では、「知る人ぞ知る」という状態で、どういうプレイヤーがどのようなビジネスを展開しているか、ということが整理されていませんでした。

 このため、当社では、スポーツビジネスに関わる企業や投資家が、市場環境を理解しやすくするとともに、スポーツテック業界が一丸となって市場を拡大していくための道標を作り、ひいては日本のスポーツビジネスの活性化とスポーツ関連のIT産業への投資促進に貢献することを目的として、このたび、現時点でのスポーツテック業界を俯瞰する「Sports-Tech Landscape」を作成、公表するに至りました。

※1 経営研レポート「テクノロジーは、スポーツとビジネスの架け橋だ -スポーツ立国実現に向けた課題とビジネス機会-」 (2016年7月)を参照

【注釈】

注1:Sports-Techの定義
①スポーツ領域を対象にして、②ITを活用した、新しいソリューションを提供する企業

注2:表現方法
世の中に流通する「Landscape」や「カオスマップ」は企業ロゴをそのまま表示するケースが一般的ですが、企業ロゴを無断で利用することは商標権侵害のおそれがあるため、やむをえず企業ロゴを使わず企業名をテキストで表示する方法を採用しました。本発表をご覧いただいた企業で、趣旨にご賛同いただける場合には、企業ロゴの使用許諾のご連絡をいただきたく、お願い申し上げます。

注3:更新予定
今回、代表的な企業をピックアップしましたが、今後新しいプレイヤーが登場したり、カテゴリの見直しが必要になった際には随時更新をしていく予定です。

注4:引用・転載
本Landscapeの著作権は当社に帰属します。引用・転載時は、必ず当社の承諾を得るとともに、「株式会社NTTデータ経営研究所により作成」と明記下さい。

【概要(特長)】

 今回は、縦軸にスポーツビジネスの基本要素である「観る」「支える」「する」「創る」を置きました。
「観る」については、「今までにない観戦体験」「スポーツ観戦をより身近に」といった価値を実現するソリューションを抽出しています。「支える」については、「個人やチームのパフォーマンスを最大化」「観る人やする人の活動環境を整える」といった価値を実現するソリューション、「する」については、「スポーツをもっと楽しく」「誰でも楽しめるように」という価値を実現するソリューションを選定しました。「創る」については、「従来の定義を超えたスポーツの創出」を実現するソリューションに着目し、あえて「する」とは分けています。
 横軸は、ビジネスモデルをB2CとB2Bで表現しています。各社のビジネスモデルは単純化することが難しいため、どちらかといえば「B2C寄り」、どちらかといえば「B2B寄り」ということで配置しています。以下、7つのカテゴリについて解説します。

1.コンテンツ&エンターテインメント

 このカテゴリには、プロスポーツの試合や選手に関する情報メディアを運営する企業や、スポーツ番組をスマートフォン向けに配信している企業など、を取り上げました。コンテンツビジネスは、月額課金等のビジネスモデルが確立しており、Sports-Tech領域では比較的成熟した市場となっています。コンテンツ自体の優位性はもちろん、今後は、スポーツならではのコンテンツ視聴体験をどう提供できるかが差別化ポイントになると考えられます。

2.スマートスタジアム

 このカテゴリには、野球やサッカーなどの競技場・屋内スポーツやその他イベントで活用するアリーナの管理運営に関するITソリューションを提供している企業を取り上げました。典型的なものでは、スタジアムWi-Fiを設置して、スマホアプリと連携させることで選手や試合の情報を観客が手元で確認したり、フードデリバリーを注文することができるサービスがあります。最近では、映像圧縮技術や高感度マイク、ヘッドマウントディスプレイなどを使って高臨場感の観戦体験を提供するソリューションが注目されています。

3.ヘルスケア

 このカテゴリには、個人の健康管理やフィットネス事業の延長線上でのITサービスを提供している企業を取り上げました。Fitbit等のワイヤレス活動量計を用いた運動促進サービスは、2015年頃から米国で普及し始め、従来スポーツをしなかった層にも受け入れられた点が大きく、今後は、ウェアラブルデバイスの技術的進展によって活動量のみならず疲労度・集中度などのデータのモニタリングも可能になるため、各種スポーツへの応用が期待されています。

4.マッチングプラットフォーム/ファンディング

 このカテゴリには、スポーツを学びたい人と教える人、同じ趣味のスポーツ愛好家同士、などスポーツにまつわる出会いを提供する企業を取り上げました。アマチュアスポーツチームなどの選手育成費用が欲しい人と資金の出し手をつなげる、という意味でスポーツ特化型のクラウドファンディングも含めました。不動産情報サービスを提供するLifulが始めた「Lifull Scouting」は、スポーツで活躍のフィールドを求めるプレイヤーが自身のプレー動画等を公開することで、有望選手を探すチーム・企業を結びつけるマッチングサービスですが、このように他業界からの参入が見込まれる領域となっています。

5.データアナリティクス&チームマネジメント

 このカテゴリには、データ分析によって個人やチームのパフォーマンスを最大化するソリューションを提供する企業を取り上げました。元々は各国代表チームやNFLチームなど、勝敗によるビジネスインパクトの大きい世界で、トレーニングから采配にいたるまでのデータ管理を中心に取り組まれてきましたが、最近では個人のゴルフスイングや子どもの体育の授業に至るまで幅広いシーンで導入されています。研究分野としては、体の動きやボールの軌跡などを解析して、熟練者の心技体の真髄を見極める研究が注目されています。

6.ファン&トレーニング

 このカテゴリには、アマチュアスポーツをもっと楽しむために、デジタル技術を取り入れたデバイスを提供する企業や、トレーニングコンテンツを共有するプラットフォームを運営する企業などを取り上げました。イヤホン型ウェアラブルデバイスで運動中のコミュニケーションを支援するBONX、ランナーが自分の自慢の道を投稿しあえるCGMサービスを提供しているRuntripなど、テクノロジーでスポーツをより魅力的な体験にすることをサポートしている企業を取り上げています。多くのユーザーに継続的に使われることが重要となるため、ポイントや提携施設の優待など複合的な価値を提供する企業も現れています。

7.肉体拡張、新規スポーツ等

 このカテゴリは、従来のスポーツの定義に当てはまらないスポーツを生み出そうとしている企業を取り上げています。eスポーツは、ビデオゲームを遊びから競技にまで高めて競うスポーツで、世界大会が行われるなど市場規模としては大きくなっています。「肉体拡張」は、アクション漫画のような「技」が繰り出せるHADO(meleap)や、障碍者も健常者も一緒に楽しめる「キャリオット」など、テクノロジーによってスポーツの可能性を広げる取り組みです。


(参考)NTTデータ経営研究所のスポーツ領域コンサルティング

  • スポーツに関する新規事業の開発
  • スポーツビジネスにおける事業戦略立案
  • スポーツにおけるデジタル技術(AI・IoT含む)の導入戦略立案
  • スポーツを軸にした「まちづくり」や「産業創出」
  • スポーツビジネスと他業界とのアライアンス戦略
  • スポーツによる企業の課題解決(健康経営、働き方改革など) など

【本件に関するお問い合わせ先】

■ 報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所
コーポレート統括部 経営企画部
広報担当
Tel:03-5213-4016(代)
E-mail :


■ 内容に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所
情報戦略コンサルティングユニット
ビジネストランスフォーメーショングループ
河本敏夫、永地健紀
Tel:03-5213-4140

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