2015年6月29日
ICT等を活用した高度環境制御・栽培管理システムを提供
~当社が支援した「富山スマートアグリ次世代施設園芸拠点」が竣工し、システムの本格運用開始~
株式会社NTTデータ経営研究所
株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:佐々木 康志、以下 当社)は、「富山スマートアグリ次世代施設園芸拠点(以下 富山拠点)」の事業主体である株式会社富山環境整備より、『ICT等を活用した高度環境制御・栽培管理システム等の実証業務』を受託しました。
当社は、当該システムを通じて、高品質なフルーツトマトを効率的、安定的に栽培する最適条件を分析・抽出する支援を実施。このたび、富山拠点が竣工し、システムの本格運用を開始しましたので、お知らせします。
【背景】
農林水産省は、先端技術と強固な販売力を融合させ、生産から調製・出荷までを一気通貫して行うとともに、地域資源エネルギーを活用する次世代施設園芸拠点の整備を進めるため、平成25年度補正予算より「次世代施設園芸導入加速化支援事業(以下 本事業)」を実施しています。
当社は、本事業の富山拠点において、事業主体となった富山環境整備より『ICT等を活用した高付加価値農業(高度環境制御・栽培管理システム等)のパイロット実証委託業務』を受託しました。
富山環境整備は、富山県、富山市、当社などが参加するコンソーシアムを結成し、富山拠点の整備を推進。今春、園芸温室(ハウス)や種苗供給施設、集出荷施設など全ての施設が完成し、6月28日に現地で竣工式が開催されました。
【富山拠点の概要】
- 事業費: 27 億 2 千万円(うち国費17億6千万円)
- 場所:富山市
- 施設整備内容 園芸温室:28棟(40,584㎡)
- 種苗供給施設 :2 棟(900㎡)
- 集出荷施設 :1棟(450㎡)など栽培品目 フルーツトマト、トルコギキョウなど
- 収穫目標:糖度8以上のもの、収量17t/棟以上
写真1 富山スマートアグリ次世代施設園芸拠点

【パイロット実証業務(以下 本業務)の概要】
本業務は、ICTを活用することにより、「経験と勘」に基づく農業から「科学」に基づく農業を実現するため、ハウス内環境データ、栽培データ、生育データ等を収集し、高品質なフルーツトマトを効率的、安定的に栽培するための最適条件を分析・抽出する取り組みを実施しました。
これにより、以下3点の実現を目指し、栽培管理システム導入実証、栽培最適化条件の分析・抽出、ウェアラブル機器を利用した作業の最適化・効率化支援を実施しました。
- ① 高度な環境制御を行うことによる高付加価値作物の安定生産
- ② ウェアラブル機器の利用を通した効率的な作業管理及び作業の最適化
- ③ 篤農家が有する栽培ノウハウの見える化による新規就農者の早期育成
図1 パイロット事業の実施イメージ

【本業務の成果】
- ① 農業ロボットによるデータ計測
ハウス内を移動しながら、温度・湿度・照度・作物画像の栽培環境情報を取得する農業用ロボット(計太君)を開発しました。計太君に設置しているカメラは、上下左右4枚の作物画像を撮影し、作物状況を監視します。計太君で計測している栽培環境情報は、タブレットやPCでリアルタイム計測値を閲覧可能です。写真2 農業用ロボット(計太君)
写真3 計太君の撮影画像イメージ
- ② データ分析システム
収集した栽培環境データより高品質なフルーツトマトを栽培するための栽培最適条件を分析・抽出するデータ分析システムを開発しました。この分析システムを使用すれば、ハウス環境や収穫状況のばらつきを一目で把握することができます。図2 データ分析イメージ
- ③ 作業の均質化・最適化と効率的な作業管理の支援ツール
新規就農者でも最適な作業を実施でき、多数のハウスの作業状況を管理できる3つの支援ツール(①トマト栽培マニュアル閲覧アプリケーション、②トマト収穫判断アプリケ―ション、③ハウス内作業管理アプリケーション)を開発しました。図3 支援ツールイメージ
【本件に関するお問い合わせ先】
■ 報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所
コーポレート統括部 プラクティスサポート部
井上、伊達
Tel:03-5213-4016(代)
E-mail:
■ 内容に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所
社会・環境戦略コンサルティングユニット
齊藤
Tel:03-5213-4193
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