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2015年6月8日

インドネシアの熱帯雨林を保護するプロジェクトへの生協組合員による支援
「コープの熱帯雨林保護募金」を6月8日から開始

~コープネット、コープみらいがNTTデータ経営研究所と共同で~

株式会社NTTデータ経営研究所

 株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:佐々木 康志、以下 当社) は、コープネット事業連合(本部:埼玉県さいたま市、代表理事:赤松 光、会員生協:関東信越の6生協)、およびコープみらい(本部:埼玉県さいたま市、理事長:新井ちとせ、事業エリア:千葉県・埼玉県・東京都)と共同で、インドネシア・ボルネオ島の熱帯雨林を保護するプロジェクトへの支援として、6月8日からコープみらいの組合員を対象とした「コープの熱帯雨林保護募金」を開始しました。

「コープの熱帯雨林保護募金」とは?

 コープネットおよびコープみらいでは、世界的な視点からの地球環境保護活動の一環として、急速に減少している熱帯雨林を守るため、当社の「生物多様性・気候変動オフセットプログラム」(Biodiversity & Climate Offset Program)を通じて、インドネシア・ボルネオ島・中央カリマンタンにおける熱帯雨林保護プロジェクト(注1)に、2014年9月から支援を行っています。

 今回はそれに加え、コープみらいの組合員からお預かりする「コープの熱帯雨林保護募金」による熱帯雨林保護プロジェクトへの資金援助を始めました。援助額に応じた熱帯雨林が、「コープの熱帯雨林」として保護されます。

(注1)インドネシア・ボルネオ島中央カリマンタンにおいて、6万4千ヘクタールの熱帯雨林を30年間(2009~2038年)にわたり保護することにより、「生物多様性保全」、「コミュニティ支援」さらには「温室効果ガス排出回避」 を実現する「リンバラヤ生物多様性保全プロジェクト(The Rimba Raya Biodiversity Reserve REDD Project)」

「コープの熱帯雨林保護募金」への参加方法

 コープみらいの組合員の募金による支援となります。例えば、100円の募金により、20平米(0.002ヘクタール)(注2)の熱帯雨林が「コープの熱帯雨林」として1年間保護されます。

絶滅危惧種のオランウータン

絶滅危惧種のオランウータン

熱帯雨林と共生するコミュニティの人々

熱帯雨林と共生するコミュニティの人々

 ボルネオ島の熱帯雨林は、スワム(Swamp)と呼ばれる湿地帯に覆われ、COを大量に固定する泥炭(ピート)層が厚く堆積する世界で他に類を見ない特徴を有しています。インドネシアでは、近年、パームオイルの製造を目的としたパーム椰子の植林などによる熱帯雨林の伐採が加速、このまま伐採が続けば、インドネシアの熱帯雨林は、いずれは消滅すると考えられています。

(注2)保護面積の目安: 関東大都市圏における、1住宅当たりの延べ面積は約80平米です。(「総務省統計局 平成25年住宅・土地統計調査」より)従い、400円の募金で、同等面積の熱帯雨林が「コープの熱帯雨林」として1年間保護されます。

インドネシア・ボルネオ島・中央カリマンタンにおける熱帯雨林保護プロジェクトによる3つの効果

  1. (1) 生物多様性保全の効果

     プロジェクト対象地域には300種の鳥、122種の哺乳類、180種の樹種の生息が確認されており、熱帯雨林を保全することでこれらの多種多様な生態系を維持・保存することが可能です。特に、ボルネオ島とスマトラ島の一部にのみ生息する絶滅危惧種であるオランウータンは、プロジェクトのシンボル的存在といなっています。プロジェクトでは、オランウータンの保護活動に40年間の長きにわたり取り組んでいる、世界的に著名な女性人類学者ビル―テ・ガルディカス博士(注3)の運営するオランウータン保護施設への支援を行います。

    (注3)Dr. Birute Galdikas (ビルーテ・ガルディカス博士): 20代において、オランウータンの生態系の研究のためボルネオ島に単身で移住し、現在に至るまで40年間にわたり、オランウータンの保護活動を続けている世界的に著名な人類学者。オランウータン保護基金であるOrangutan Fund International (OFI)の設立者。2011年には、ワーナー・ブラザースによる3Dドキュメンタリー映画 “Born to be wild”によりその活動が取り上げられ、米国、カナダにおいて上映される。URL: http://www.orangutan.org/

  2. (2) 地域コミュニティ支援の効果

     プロジェクトは、地球全体の視点に立った生物多様性保全や地球温暖化防止という環境問題の解決と、熱帯雨林の伐採・加工・販売で成り立つ日々の生活を優先せざるを得ない地域コミュニティの慢性的な貧困問題の改善を両立させることを目的とします。熱帯雨林の伐採の加速による河川の環境変化により漁獲量が減少し、熱帯雨林に暮らす住民は、従来の漁業による生計が営めなくなり、代々、生きるための恵みを得てきた熱帯雨林を、自ら伐採することによって現金収入を得る道を選択せざるを得ない状況に陥っています。

     プロジェクトの対象地域である6万4千ヘクタールの熱帯雨林に点在する10のコミュニティへ、セラミック浄水器や省エネ型薪調理器の無償配布、集会所の建設、再植林用の苗木栽培技術指導およびプロジェクトによる苗木の買い取りなど、コミュニティの保健衛生環境の向上や自立化支援を行います。

  3. (3) 地球温暖化防止の効果

     熱帯雨林の地中には泥炭(ピート)層と呼ばれるCOを大量に固定する地層が存在します。熱帯雨林が伐採されると、泥炭(ピート)層が地表に露出し、封じ込められていたCOが大気中に放出されてしまいます。プロジェクトにより熱帯雨林が保全・育成される事により、泥炭(ピート)層に大量に固定されているCOの排出を回避することができます。

リンバラヤの熱帯雨林

リンバラヤの熱帯雨林 

コミュニティ自らの手で伐採された熱帯雨林

コミュニティ自らの手で伐採された熱帯雨林

インドネシア・ボルネオ島・中央カリマンタンにおける熱帯雨林保護プロジェクトによる3つの効果の検証

 「生物多様性保全」および「コミュニティ支援」の便益については、プロジェクトによる環境・社会性便益を評価する世界で最も活用されているCCBS(Climate, Community & Biodiversity Standard)(注4)、「温室効果ガス排出回避」の便益については、プロジェクトによる温室効果ガス排出回避便益を評価する世界で最も活用されているVCS(Verified Carbon Standard)(注5)の認証をそれぞれ取得しており、プロジェクトの効果については、第三者検証機関の厳しい評価により担保されています。

(注4)CCBS(Climate, Community & Biodiversity Standard): CARE, Conservation International, The Nature Conservancy, Rainforest Alliance, Wildlife Conservation Societyが 2003年に設立したNGOであるThe Climate, Community & Biodiversity Alliance (CCBA)により策定された、プロジェクトの環境・社会性便益を評価するスタンダード。URL: http://www.climate-standards.org/

(注5)VCS(Verified Carbon Standard): The Climate Group, International Emissions Trading Association(IETA), World Economic Forumにより、2005年に設立されたNGO。自主的排出権クレジット方法論策定や、自主的排出権クレジットVCU(Verified Carbon Unit)の発行・管理を行っている。VCUは英・米・仏に開設されるレジストリ(登録簿)において、京都クレジットと同様に1トン単位でシリアルナンバーが付され、電子的に発行・管理されており、VCSは、自主的排出権クレジット発行量、登録プロジェクト数において世界最大。URL: http://www.v-c-s.org/

(参考情報)
「生物多様性・気候変動オフセットプログラム」(Biodiversity & Climate Offset Program)とは、NTTデータ経営研究所がInfinite Earth社(香港) と共同で開発した、インドネシア・ボルネオ島・中央カリマンタンにおける熱帯雨林伐採の進行を食い止める世界最大のREDD(注6) プロジェクト(正式名称:The Rimba Raya Biodiversity Reserve REDD Project)から創出されるREDD排出量クレジットを活用して、企業の事業活動などによる温室効果ガス排出量をカーボン・オフセット する取り組みです。従来のカーボン・オフセットプログラムにおいては、温室効果ガス排出量のオフセットのみを目的としていましたが、新たなプログラムでは、クレジットの購入により温室効果ガス排出量のオフセットのみならず、生物多様性保全やコミュニティ支援を同時に実現できる仕組みであることが最大の特徴となっています。

(注6)REDD(Reduced Emissions from Deforestation and forest Degradation): 森林伐採や劣化を回避することにより森林や地層に固定されている温室効果ガスの排出を食い止めるプロジェクト。新たな国際的温室効果ガス削減の枠組みとして国連などによる導入が検討されています。現状において、国連におけるREDDの方法論は確立されていませんが、自主的温室効果ガス削減プロジェクトの方法論を策定するVCS (Verified Carbon Standard)によりREDDの方法論が確立されており、ケニア、コンゴ、カンボジア、ペルーにおいて既にREDDプロジェクトが開始されています。



【本件に関するお問い合わせ先】

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株式会社NTTデータ経営研究所
コーポレート統括部 プラクティスサポート部
井上、伊達
Tel:03-5213-4016(代)
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■ 内容に関するお問い合わせ先
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社会・環境戦略コンサルティングユニット
大塚
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