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2010年9月1日

NTTデータ経営研究所・日本神経科学学会
脳科学の応用研究及び事業活用を目指す
オープンイノベーションモデルの『応用脳科学コンソーシアム』を創設

~異業種の民間企業と異分野の脳科学研究者のコラボレーションを強力に推進~

株式会社NTTデータ経営研究所
日本神経科学学会



株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:谷口和道)は、日本神経科学学会(事務局:東京都文京区、会長:津本忠治)の協力のもと、『応用脳科学コンソーシアム』(英文名:Consortium for Applied Neuroscience、略称名:CAN、以下「本コンソーシアム」)を2010年10月1日(金)に創設いたします。なお本コンソーシアムが取り組む研究テーマや今後の活動予定等を含めた応用脳科学研究への取り組みに関するご説明を、2010年9月2日(木)~4日(土)に神戸コンベンションセンター(神戸国際会議場・神戸国際展示場)で開催されるNeuro2010(第33回日本神経科学大会、第53回日本神経化学会大会、第20回日本神経回路学会大会の合同大会)の第3日目のランチョンセミナーにて実施致します。

≪ランチョンセミナーの開催概要≫
演題: 研究者と企業のコラボレーションが創出する応用脳科学の世界
演者: 萩原 一平(株式会社NTTデータ経営研究所パートナー)及び応用脳科学研究に取り組む民間企業等
座長: 川人 光男(ATR脳情報通信総合研究所 所長・フェロー)
日時: 2010年9月4日(土)12:00~12:50
場所: 第5会場(神戸コンベンションセンター 神戸国際会議場 1Fメインホール)
※会場までのアクセスはNeuro2010のウェブページをご覧下さい。

脳科学研究は、「脳の可視化」を実現する各種計測技術・情報技術の飛躍的進歩に伴い、現在急速な発展を遂げつつあります。この結果、我々人間の認知・行動・記憶・思考・情動・意志といった「心」の働きに関する研究知見が急速に蓄積されると共に、これらの知見を核とし、経済学・社会学・生理学・認知心理学等の様々な研究領域と融合した「応用脳科学研究」とその事業活用に関する取り組みが、分野を問わず世界規模で活発化しています。具体的には、脳活動を可視化することで消費者の嗜好や感性を明らかにしてマーケティング活動に応用するニューロマーケティング、これらの結果を応用し感性価値を向上させた商品・サービス等の開発、脳活動の情報を利用して外部機器を制御するブレインマシン・インターフェース(BMI)技術を応用したコミュニケーション支援器具・玩具等の製品開発等、応用の事例は枚挙に暇がありません。これらの先進的事例は、消費者のQOLの向上、ひいては産業経済活動の活性化をもたらすものであると考えられます。

これらの応用脳科学研究及びその事業活用を推進するためには、脳科学が、複数の学問分野及び産業分野の技術・知見及びノウハウと融合することで一層の成果を生み出すという特徴を持つことから、それぞれの専門知見を有する研究者や企業等が共同で研究に取り組むことが重要です。さらに、より適切な応用脳科学研究を推進し、社会全体に価値のある事業活用を実現するためには、研究に携わる者が倫理面・安全面に配慮しつつ、各々の専門的な研究知見を持ち寄って多角的な視点から科学的検証を行うことが必要不可欠であると言えます。しかしながら、我が国においては、脳科学に関する学術研究や各個別企業の取り組みには目を見張る成果があるものの、当該成果の応用や事業活用を目的とした産業界と学術界の連携の動きは必ずしも活発ではありません。

こういった課題認識の下、本コンソーシアムは、我が国の脳科学研究を代表する学術団体である日本神経科学学会の協力を得ることで、本コンソーシアムにおける各活動に対して科学的・倫理的な観点からの助言を受けた上で、異業種の民間企業と異分野の脳科学及びその関連領域の研究者が一堂に会する研究プラットフォームを提供し、脳科学及びその関連領域の最新の研究知見を活用した応用脳科学研究の推進とその事業活用の実現を目指すとともに、これらの成果の社会還元に貢献する人材の育成に取り組みます。今後は、本コンソーシアムにご賛同頂ける民間企業及び研究者のご参加を広く募り、将来的には脳科学に関連する他の学術領域の学会や研究者との連携強化も図りながら、応用脳科学を切り口とした我が国発のオープンイノベーションを一層推進していく所存です。

応用脳科学とその事業活用の概念図
応用脳科学とその事業活用の概念図

【本コンソーシアムについて】
※詳細はウェブページをご覧頂くか事務局までお問い合わせ下さい。

■全体構成

本コンソーシアムは(1)応用脳科学R&D研究会、(2)応用脳科学アカデミー、(3)応用脳科学ネットワークの3つの機能を有します(詳細は次項を参照)。また本コンソーシアムの意思決定機関として、特別会員の民間企業、日本神経科学学会から招聘するサイエンティフィックアドバイザー及び事務局から構成されるステアリングコミッティを設置します。なお本コンソーシアムは将来的に、他学会や様々な分野の研究者、さらには各省庁や業界団体との連携も視野に入れています。

応用脳科学コンソーシアム(CAN)の全体構成
応用脳科学コンソーシアム(CAN)の全体構成
※日本神経科学学会及びサイエンティフィックアドバイザーの役割
日本神経科学学会は、サイエンティフィックアドバイザーをステアリングコミッティに派遣することで、本コンソーシアムが研究倫理、発表・報道倫理等を含め科学的かつ倫理的に適正な運営を図ることができるように助言・問題提起等を行う役割を担います。一方で、本コンソーシアムから創出された研究成果や各種の知的財産及びこれらが社会に与える影響等に関する責務は、各活動に参加しこれらを行使する会員にあり、日本神経科学学会は関知致しません。

 

■活動内容

本コンソーシアムは、(1)応用脳科学R&D研究会、(2)応用脳科学アカデミー、(3)応用脳科学ネットワークの3つの各機能において、以下のような活動を行います。

(1)応用脳科学R&D研究会

応用脳科学R&D研究会は、異業種の民間企業と異分野の研究者が、応用脳科学研究の推進とその事業活用を目指す研究開発のプラットフォームです。

各R&D研究会は各特別会員によって設置され、当該R&D研究会ごとに掲げられたテーマについて、専門的な研究知見を有する脳科学及びその関連領域の研究者を招聘して研究活動を行います。R&D研究会には、テーマを設定した特別会員の他に、当該テーマ設定企業である特別会員が参加を認めたR&D研究会員や、その他特別会員及び協賛会員が参加します。

R&D研究会における研究活動は、将来的にコンソーシアムからスピンオフし、研究成果をもとにした共同実証実験(さらには事業活用)に移行することを目指して進められます。一方、各R&D研究会の成果は、当該R&D研究会の参加会員及び研究者によって共有され、参加会員は成果を自社に持ち帰り、自社の事業活動に応用することも可能です。

応用脳科学R&D研究会の構成
応用脳科学R&D研究会の構成

 

(2)応用脳科学アカデミー

応用脳科学アカデミーは、脳科学の基礎知識から最先端の知見にいたる専門的な研究知見を有する脳科学及びその関連領域の研究者を講師として招聘し、事業活用という観点から脳科学を学ぶことで、応用脳科学研究及びその事業活用に貢献する人材育成のプラットフォームです。応用脳科学アカデミーは、必要最低限の脳科学の知識や倫理に関する知識を学ぶ「必修コース」と各論からなる「選択コース」に大別されます。応用脳科学アカデミーには、協賛会員を除く全ての会員が参加可能です。

(3)応用脳科学ネットワーク

応用脳科学ネットワークは、会員と研究者の交流、各種研究活動・人材育成活動に資する情報の収集及び本コンソーシアムの活動の社会への発信を促進する人材交流及び啓発のプラットフォームです。応用脳科学ネットワークでは、ウェブサイトやメーリングリストの運営、脳科学及びその関連領域の研究知見や応用脳科学研究及びその事業応用事例の収集、本コンソーシアムの活動の情報発信等を行います。応用脳科学ネットワークには、全ての会員が参加可能です。

■会員種別

本コンソーシアムの会員には、以下のような種別があります。

  • 特別会員
    特別会員は、ステアリングコミッティの構成委員として本コンソーシアムの運営において中心的な役割を果たします。また応用脳科学R&D研究会を1つ設置することができます。さらに応用脳科学アカデミーや応用脳科学ネットワークに参加することができます。
  • R&D研究会員
    R&D研究会員は、応用脳科学R&D研究会に1つ参加することができます。さらに応用脳科学アカデミーや応用脳科学ネットワークに参加することができます。
  • アカデミー会員(法人会員、個人会員)
    アカデミー会員は、応用脳科学アカデミーや応用脳科学ネットワークに参加することができます。
  • 協賛会員
    協賛会員は、応用脳科学R&D研究会や応用脳科学アカデミー、応用脳科学ネットワーク等の本コンソーシアムの活動において、自社の技術やノウハウを会員に提供することで研究活動を支援します。

 

【応用脳科学コンソーシアム参加企業一覧】(2010年9月1日時点)※五十音順。

■特別会員

  • アサヒビール株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:泉谷直木)
  • 株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:山下 徹) *参加予定
  • 積水ハウス株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:阿部俊則)
  • 株式会社竹中工務店(本社:大阪市中央区、取締役社長:竹中統一)
  • 帝人株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員CEO:大八木成男)
  • 日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン)
    (その他大手民間企業数社が参加予定)

■協賛会員

  • ATR-Promotions株式会社(本社:京都府相楽郡、代表取締役社長:正木信夫)
  • 株式会社島津製作所(本社:京都府京都市中京区、代表取締役社長:中本晃)
  • 株式会社デジテックス研究所(本社:東京都三鷹市、代表取締役:仲維昭)
    ※事務局は株式会社NTTデータ経営研究所が担当。

 

【活動期間】

初年度:2010年10月~2011年3月 (以降、2011年4月から1年間ごとに活動予定)

 

【ウェブページ】
※随時更新予定です。
http://www.keieiken.co.jp/can/


◆ 本件についてのお問い合わせ ◆

◇株式会社NTTデータ経営研究所 
【リリース内容やご入会その他コンソーシアムに関するお問い合わせ】
マネジメントイノベーションセンター
応用脳科学コンソーシアム事務局
萩原一平・山川義徳・西出拓 
TEL:03-5467-9301(代表) / 03-5467-6768(直通) FAX:(03)5467-6332

【報道関係のお問い合わせ】
マーケティング本部
井上国広 
TEL:03-5467-6313(直通) FAX:(03)5467-6332

◇日本神経科学学会
【学会活動等に関するお問い合わせ】
日本神経科学学会事務局
TEL:03-3813-0272 FAX:03-3813-0296


<補足>
【本コンソーシアムに関連する株式会社NTTデータ経営研究所の実績】

本コンソーシアムで事務局を務めるNTTデータ経営研究所では、これまで以下のような脳科学の事業活用に関連するコンサルティング事業及び調査研究の実績があります。

実績一覧

  • 脳科学技術を取り入れた遠近両用メガネレンズの開発 (大手民間企業)
    脳波計測・分析より遠近両用メガネレンズの評価と設計開発を支援
  • 家電製品のユーザビリティ評価支援 (大手民間企業)
    脳波計測・分析により家電製品の使い心地を評価
  • 乗用車のカーナビゲーションシステムのユーザビリティ評価支援 (大手民間企業)
    認知効果を高めスムーズに利用できるカーナビシステムを評価
  • 脳科学技術を応用した新しいコンセプトの日雑品の開発支援 (大手民間企業)
    脳科学の視点から設定した新しいコンセプトの商品開発に向けた調査及び開発支援
  • 脳科学技術の適用を目的とした商品開発プロセスの分析と技術導入支援 (大手民間企業)
    脳科学を商品開発プロセスに導入することで開発商品の定量的・客観的評価を支援
  • 脳科学及び認知心理学等の技術を活用したマーケティング調査支援 (大手民間企業)
    各種の脳活動計測機器及び認知心理学実験を応用し、最適なマーケティング調査戦略を策定・実施を支援
  • 脳科学技術を応用した新しいコンセプトの食品等の開発支援 (大手民間企業)
    脳科学の視点から設定した新しいコンセプトの食品開発に向けた調査及び開発支援
  • 脳科学の産業分野への展開に関する調査事業(平成19年度NEDO調査事業)
    脳科学の産業応用に関する我が国初の調査事業を実施
  • 脳科学の産業応用への推進に資する脳機能計測機器に関する調査事業
    (平成20年度NEDO調査事業)

    脳活動計測機器についてさらに深化して調査・考察することを目的に実施
  • 定量的・客観的なストレス評価法とその事業展開に関する調査研究
    (平成20年度 NEDO エコイノベーション調査事業)

    メンタルヘルス対策の向上に資することを目的とし、認知課題を用いた定量的・客観的な新規ストレス評価法の事業化可能性を検討
  • 新規な認知症スクリーニング技術とその事業化に向けた調査研究
    (平成20年度 NEDO エコイノベーション調査事業)

    認知症の早期発見・早期診断に資する新規認知症スクリーニング技術の実用化開発及び事業に向けた調査を実施
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