現在ご覧のページは当社の旧webサイトになります。トップページはこちら

2008年10月2日

~ ニューロR&Dを活用して新メガネ用レンズを商品化 ~

業界初 レンズ設計に脳科学技術を取り入れ
装用感と快適性を向上させた遠近両用メガネレンズ
「ベルーナ レゾナス」を発売

株式会社NTTデータ経営研究所
東海光学株式会社

 

株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:佐々木 崇)と東海光学株式会社(本社:愛知県岡崎市、代表取締役社長:古澤 武雄)は、共同で脳科学技術をレンズ設計に取り入れ、真の装用感と究極の快適性を追求し向上させた、全く新しい遠近両用メガネレンズ「ベルーナ レゾナス」(*1)の開発、商品化に成功しました。新商品は2008年10月16日(木)より全国の眼鏡店にて発売いたします。販売計画は、初年度10万枚を予定しています。

※本商品は10月1日から3日間、東京ビッグサイトで開催されるフレーム・サングラス・レンズなどメガネに関する商品が一堂に集結するアジア最大級の展示会「IOFT2008(第21回メガネの国際総合展)」に出展いたします。

両社は、装用感、および快適性の向上を実現する遠近両用メガネレンズの商品化に向け、業界初の取り組みとして従来型の主観によるモニター評価と人間工学的な見地からのレンズ設計に加え、新たに人間が無意識に感じる感性を定量化する脳科学技術《ニューロR&D》(*2)を設計プロセスに導入しました。導入にあたっては、NTTデータ経営研究所が業務提携している株式会社脳機能研究所(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:武者 利光)の開発した「感性スペクトル解析システム(以下、ESA)」(*3)を利用しました。

両社は共同で、このESAを利用し、複数の新商品プロトタイプについて、それぞれの装用感やレンズ装用時のストレスを定量的に比較する方法(N.E.スパイラルモデル)を開発。得られた脳波データとモニター主観評価をもとに、レンズ設計の改良を繰り返すことで、脳波測定から得られる感性データも、モニター評価から得られる主観データも、ともに優れた、脳が喜ぶ快適性を向上させた遠近両用レンズ「ベルーナ レゾナス」の開発に成功しました。

【新商品の主な特徴】

従来設計によるレンズと比較して、
・ 「遠用側方視における脳のストレス度」と「遠用側方視における脳の不快感」が低減
・ 「遠方視・近方視における脳の喜び(装用感)」が向上

以上より、「ベルーナ レゾナス」は、従来設計によるレンズより優れているだけではなく、脳波データを参考に設計の改良を繰り返すことで、さらに快適性を向上させた、脳が喜ぶ遠近両用レンズであることがESAを用いた感性評価から実証されています。

(*1) 新商品の内面累進レンズ「ベルーナ レゾナス」について
新商品の「ベルーナ レゾナス」は、人間工学に基づいた光学的設計と無意識の感性を定量化する脳科学技術を採用した画期的な設計手法により生まれた、真の装用感、究極の快適性を追求した非常に付加価値の高い業界初の遠近両用メガネレンズです。脳波データから読み取れる感性結果をもとにレンズの評価を行い、また人間工学に基づく主観評価の結果を合わせてレンズ設計にフィードバックし、それを繰り返すことで開発しました。
また、「ベルーナ レゾナス」には脳科学を取り入れた最新の技術トレンドをすべて活用しています。具体的には、レンズ遠用部から中間部を重点に改善し、ボケの少ないワイドな視野とゆれ・ゆがみを抑えたマイルドな視界で装用感の向上を実現した「N式ワイド&マイルド設計」を採用、また 「9-70加入設定」や「新フレキシブルインセット設計」といった人間工学に基づく設計手法が応用されています。

(*2) ニューロコンサルティングとは、ニューロR&Dとは
ニューロコンサルティングとは、人間の脳内の変化や動きを把握して、さまざまな企業活動の一助とするコンサルティング手法であり、なかでも、顧客の意思決定プロセスを脳活動から理解するニューロマーケティングが有名です。
ニューロマーケティングにおいては、一般にはfMRI (functional Magnetic Resonance Imaging)と呼ばれる脳画像撮影法が用いられていますが、NTT データ経営研究所と脳機能研究所は、脳機能研究所が保有するESAを利用することで、安価で簡便なニューロコンサルティングを実現しています。
またESAを利用しニューロマーケティングの概念を一歩進めたものが、ニューロR&Dです。ニューロR&Dでは、メーカーにおける新商品の研究開発の段階から脳科学技術を応用するものです。今回の新商品のように、従来品と新商品の比較に脳波のデータを利用したり、脳波のデータを参考にしながらさらに商品に改良を加えたりすることで、より人間の感性に訴求効果の高い商品開発を実現するものです。

(*3) 感性スペクトル解析システム(ESA)とは
脳機能研究所が開発した感性スペクトル解析システム(ESA)では、供試品や供試環境に対する対象者の心の状態を、従来のアンケート手法だけでは抽出しにくかった人間の感性にかかわる3つの脳波(シータ波・ベータ波・アルファ波)データから、人間の感情を「ストレス、緊張度」、「喜び、満足感」、「悲しみ、落ち込み」、「リラックス」の4つの独立な基本成分に分解して、それぞれのレベルの時間的な変化から心の状態の変化を定量的に分析することができます。
マーケティングを例に挙げると、ESAを利用することで、従来の技術(高額な装置を使用しなければならないため、マーケティング調査にかかわる費用も高価となり、かつ実施場所も限定される)に比べると、新開発の電極ヘルメットをかぶるだけで感情変化を測定でき、人体への影響が少なく、場所、時間等の制約を気にせず、より安価に、簡便に測定を行うことができます。
すでに、音響画像(AV)分野、食品分野、生活環境分野等で企業や大学と共同で実証実験を行い、また、旧建設省、科学技術庁、宇宙開発事業団からの委託研究を受け、心の状態変化を定量化するのに良好な結果を得ています。

 

◆ 本件に関するお問い合わせ ◆

株式会社NTTデータ経営研究所
 〔ニューロR&D、ニューロコンサルティングに関するお問い合わせ〕
  マネジメントイノベーションセンター
  萩原 一平・西出 拓     TEL: (03) 5467-6768

 〔報道関係のお問い合わせ〕
  マーケティング部 
  秦 真二郎               TEL: (03) 5467-6313

東海光学株式会社
 〔レンズ開発に関するお問い合わせ:営業企画部〕
  倉俣 考志                TEL:(0564)27-3055

【東海光学株式会社について】

 東海光学株式会社は、昭和14年に創業した、素材開発から設計、二次加工、販売までの一貫体制をひくメガネレンズの専門メーカーです。本社は岡崎市花園工業団地にハイテクノロジーを駆使した工場とともにあり、国内だけではなく東南アジア、ヨーロッパ、北米など世界47カ国で事業を展開しています。
また、品質保証の国際規格「ISO9001」と環境保全のための国際規格「ISO14001」の認証を取得しており、環境においては、全3工場において完全ゼロエミッション工場を達成しています。
東海光学株式会社が提案するレンズデザインは、新製品の発表ごとに大きな話題を集め、数々のトレンドを形作っています。世界初、世界NO.1屈折率1.76素材を使用した世界最薄プラスチックレンズ「ベルーナZX-MU」や、シニアゴルファ専用プラスチックレンズ「EYE楽GOLF50」、プラスチックレンズ耐熱性NO.1を実現した有機コーティング「オーガニックシールドコート」など消費者の高度なニーズに応え、すべての瞳に快適な視生活をお届けしています。

【株式会社脳機能研究所について】

脳機能研究所は、1/fゆらぎの研究開発で有名な武者利光(同社代表取締役社長・東京工業大学名誉教授)により、技術研究開発会社として1994年2月に設立されました。
脳機能研究所では、脳波に現れる感性状態を数値的に計測して秒単位で表示する「感性スペクトル解析法 (Emotion Spectrum Analysis Method; ESAM)」技術のほか、脳内のシナプス・ニューロン機能低下度を量的に推定する「脳機能低下度推定法(Diagnosis Method of Neuronal Dysfunction; DIMENSION)」技術を開発しており、これら技術のさらなる改善や応用技術の開発に取り組んでいます。
また、病院、大学、企業等との同技術の利用に関する共同研究にも積極的に取り組んでいます。さらに、多くの病院や大学等へ脳波解析装置を販売し、実験の企画や脳波解析サービスも行っています。特に、「ESAM」については、商品デザインや都市環境の評価、精神的ストレスのモニタリングに至るまで幅広く応用されており、数多くの企業で導入事例があります。
なお、脳機能研究所の保有する「ESAM」は脳の働きに関係する疾病、例えば、認知症、うつ病、ストレス症候群等の早期発見や脳リハビリテーションの効果測定にも適用可能です。さらに「DIMENSION」は、認知症の初期といわれるMCIの検出にも成功しており、認知症の早期発見と脳リハビリテーションとの組み合わせによる認知症の予防手段および脳機能低下度の高感度モニターとして、病院や脳ドックでの試用が徐々に広がり始めています。



以上
Page Top