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2007年10月18日

メリルリンチとキャップジェミニが
第2回アジア太平洋地域ウェルス・レポートを発表

アジア太平洋地域の富裕層個人の保有資産高は8.4兆米ドルに増加
日本は富裕層人口(57.4%)、保有資産残高(43.7%)ともに同地域最大の
シェアを誇るも、平均保有資産額は同地域内で最小の250万米ドル

 

 

[東京: 2007年10月18日]-メリルリンチおよびキャップジェミニによって本日、発表された第2回アジア太平洋地域ウェルス・レポート(以下APWR)の推計によると、高いGDP成長および株式時価総額の増加が牽引となり、アジア太平洋地域の富裕層個人*1の人口は2006年一年間で8.6%増加し、260万人となったことが明らかになった。

2006年末時のアジア太平洋地域の富裕層個人が保有する資産総額は、前年比で10.5%上昇し、8.4兆米ドルであった。同地域内富裕層個人の保有資産は日本および中国に集中しており、同地域資産額のうちそれぞれ43.7%、20.6%を占め、両国で全体の6割を超える。

世界の富裕層人口に占めるアジア太平洋地域の富裕層人口の割合は27.1%、また世界の富裕層個人が保有する総資産額に占めるアジア太平洋地域の富裕層個人の保有資産総額の割合は22.6%であった。

アジア太平洋地域の富裕層個人の平均保有資産額は、2006年末時点で330万米ドルであり、同時点での世界の富裕層個人の平均保有資産額は390万米ドルであった。国別の富裕層個人の平均保有資産額では、香港が500万米ドル、シンガポールが490万米ドルと世界平均を大きく上回る一方、日本は世界平均を下回り、かつアジア太平洋地域内でも最低の250万米ドルであった。

なお、日本の富裕層人口については、今年6月のワールド・ウェルス・レポート2007年で発表された通り、富裕層個人の人口は5.1%増加し、147万7,000 人であり、アジア太平洋地域富裕層人口に占める割合は57.3%であった。また、保有資産残高では地域全体のほぼ半分の43.7%、金額にして3兆6800億米ドルとなった。

 

地域内の超富裕層個人の人口および保有資産額

アジア太平洋地域における富裕層個人の91.1%が保有資産額で100万米ドルから500万米ドルの範囲にあり、500万米ドルから3,000万米ドルの資産を持つ富裕層個人は全体の8.2%、また3,000万米ドル超の資産を保有する超富裕層個人*2については全体の0.7%に留まる。

2006年一年間において、アジア太平洋地域の超富裕層人口増加率は、世界の同増加率11.3%を上回る12.2%増加し、17,500人となった。同地域において富裕層人口に占める構成率で0.7%の超富裕層個人が保有する資産総額は2兆1,336億米ドルであり、同地域内の富裕層個人の保有資産総額の25.4%にあたる。

日本の富裕層個人の人口は同地域内の富裕層人口の約6割を構成するものの、同地域内の超富裕層人口に占める割合は28.6%に留まる。一方、中国においては富の集中が最も顕著であり、3,000万米ドル超の資産を保有する超富裕層の資産総額は、100万ドルから3,000万ドル資産を持つ富裕層個人の資産総額を上回る。アジア太平洋地域全体の富裕層人口に占める中国の割合は日本に次ぐ第2位のシェアとなる13.4%であるが、同地域の超富裕層人口に占める同国の割合は28.2%にのぼる。

世界の富裕層個人の国別人口増加率の上位10カ国のうち5カ国がアジア太平洋地域の国で構成されており、特にシンガポール、インド、インドネシアは2006年にそれぞれ21.2%、 20.5%、16.0%の高い伸びを示した。また、2006年の世界の富裕層人口の伸び率は8.3%であった。

今年の APWRでは、オーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、シンガポール、韓国、および台湾の9つの市場ごとの富裕層個人の人口、および投資行動について分析を試みている。以上の9市場に居住する富裕層人口で、アジア太平洋地域全体の260万人の富裕層人口の約94%を占めている。

NTTデータ経営研究所金融コンサルティング本部パートナー山上聰は以下のように述べています。「アジア太平洋地域では圧倒的多数の富裕層個人の保有資産額が100万米ドルから500万米ドルの間であるものの、3,000万米ドル超の金融資産を持つ超富裕層個人の人口が急速に伸びています。この傾向が最も顕著なのが中国であり、同国の驚異的な経済成長が超富裕層人口の集中の要因となっているといえます。アジア太平洋地域の17,500人の超富裕層のうち、28%超が中国に居住しています」

三菱UFJメリルリンチPB証券代表取締役CEO岡林淳二は、以下のように述べています。「アジア太平洋地域の富裕層個人の市場は現在、世界的に最も急速に拡大している市場であり、今後もその成長は継続すると考えています。同地域の富裕層個人の投資行動は市場ごとに異なるものの、潜在的な成長の牽引力は引き続き強く、今後も同地域は富裕層資産の成長率で世界平均を凌いでいくと予想しています」

 

富を創造する牽引役 

2006年のアジア太平洋地域における富裕層資産を成長させた主な牽引役は、堅調な実質GDP成長であり、また域内株式市場の時価総額の拡大であった。

2006年、アジア太平洋地域は世界で最も高いGDP成長を記録した。特に中国とインドが実質GDP成長でそれぞれ10.5%、8.8%と高い成長を示した。

中国、インドネシア、インド、香港の各市場のベンチマーク株式指数は、他の先進諸国の株式市場、およびアジア太平洋地域内の他の市場に対してアウトパフォームしており、2006年において30%超上昇している。

アジア太平洋地域においては、投資家がますます高いリターンを求め、また海外の金融機関がこの高成長地域に対する関与を高めようとしている中、非伝統的投資商品に対する関心が高まっている。例えば商業不動産、および不動産投資信託(REIT)が高い運用成績を示しており、アジア太平洋地域においても不動産投資の伸びが顕著であった。

 

アジア太平洋地域の富裕層個人の投資

アジア太平洋地域の富裕層個人の資産配分は市場ごとに大きく異なる。オーストラリアの富裕層個人は、同地域内最高となる37%を株式に配分している。中国およびインドネシアの投資家も比較的高い割合を株式に配分している。一方で、韓国の投資家においては、ポートフォリオの中の不動産への投資配分の占める割合が最も高かった。

アジア太平洋地域の富裕層個人は現在、投資ポートフォリオの国際化を進めており、同時に長期的には、オルタナティブ投資、株式および債券への配分を高める方向で資産の再配分を行なっている。地域的な資産配分で見るとアジア太平洋地域の富裕層個人は、依然として母国市場での運用比率を一定の高さに維持しているものの、今後は海外へのエクスポージャーを増やしていくと見られる。現状では、アジア太平洋地域の富裕層個人資産の半数強は同地域内に投資されている一方、4分の1強が北米地域に配分されている。

 

アジア太平洋地域において顕著な各市場別投資機会

個人富裕層の投資行動は、資産の源泉、人口動態、超富裕層個人の集中度合い、およびポートフォリオの国際化の程度などの重要な属性において各市場で異なる。

中国およびオーストラリアにおける資産の主要な源泉は、事業収入、および株式オプションである。一方、日本においては相続、および所得が主な源泉となっている。

アジア太平洋地域の全ての市場において富裕層個人の大多数が男性であり、特に80%超の富裕層を男性が占める市場はインド、オーストラリア、および韓国であった。一方で富裕層個人に占める女性の割合が最も高かったのが台湾の43%であり、中国および香港でも双方で女性が30%超を占めていることがわかった。

山上聰は以下のように述べています。「富裕層個人の顧客獲得競争の激化、富裕層個人の人口および資産保有高の堅調な伸び、各国の富裕層市場ごとに異なる商品成熟度などが、アジア太平洋地域の各市場におけるウェルス・マネジメント・サービスを提供する会社にとって市場を複雑にし、競争条件を厳しくしているといえます。すでにアジア太平洋地域全体にわたって、より精緻な商品の価格設定、商品のコモディティ化、優秀なファイナンシャル・アドバイザー人材の不足が見られている」と述べています。

 

三菱UFJメリルリンチPB証券について
三菱UFJメリルリンチPB証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループとメリルリンチが日本において対等に資本を保有する合弁会社である。個人富裕層およびミドルマーケットの法人を対象に、ウェルス・マネジメント・サービスを提供している。三菱UFJメリルリンチPB証券の詳細については、www.muml-pb.co.jp

NTTデータ経営研究所について
NTTデータ経営研究所は、NTTデータの100%子会社であり金融、公共、産業の各セクターに対し、コンサルティングサービスを提供している。NTTデータとキャップジェミニは2005年よりグローバルパートナーシップ関係にあるが、NTTデータ経営研究所 金融コンサルティング本部は、金融分野におけるキャップジェミニとの窓口の役割を担っている。NTTデータ経営研究所の詳細については、www.keieiken.co.jp をご参照ください。

メリルリンチについて
メリルリンチは、世界38ヶ国・地域に拠点を擁し、顧客からの総預かり資産が約1兆7,000億ドルに上る世界有数の総合金融サービス会社である。幅広い資産クラスの証券、デリバティブの売買や引受けにおいて世界のリーダーとなっているほか、各国の企業、政府、機関投資家、個人などに戦略的アドバイザリー・サービスを提供している世界有数の投資銀行である。また、メリルリンチはブラックロックの約5割を所有している。ブラックロックは世界最大級の上場資産運用会社であり、運用資産残高は1兆ドルを超える。メリルリンチの詳細についてはwww.ml.comで知ることができる。

キャップジェミニについて
キャップジェミニは金融サービス業界を主な顧客とし、同業界における豊富な経験、充実したサービス内容、および次世代のグローバル体制を持っています。世界で15,000人のプロフェッショナル・ネットワークにより900社超の顧客企業にサービスを提供します。我々は、最新のソリューション、また銀行、保険、資本市場および運用の分野でのベスト・プラクティスを用いて顧客企業のビジネスを前進させます。

キャップジェミニは、コンサルティング、テクノロジー、およびアウトソーシングの各サービス分野において世界でも有数のプロバイダーであり、テクノロジーを活用して顧客の変革、および業績向上を支援しています。キャップジェミニは、コラボラティブ・ビジネス・エクスペリエンスと呼ばれる顧客との独自の協同関係を通じて、より高い業績を達成するための自由度を顧客にもたらす洞察と能力を提供します。キャップジェミニの2006年の世界収益は77億ユーロで、世界で75,000人超を雇用している。より詳細な情報は、右記のホームページからお願いします。www.capgemini.com

*1 主な住居および消費財を除く純資産で100万米ドル以上を保有する個人
*2 主な住居および消費財を除く純資産で3,000万米ドル以上を保有する個人



以上

参照:「 アジア太平洋地域ウェルス・レポート 」ダウンロード

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