2005年6月28日
経済産業省・ECOM・NTTデータ経営研究所 共同
「平成16年度電子商取引に関する実態・市場規模調査」
(情報経済アウトルック2005)
~100兆円を超えた日本の電子商取引~
2004年の電子商取引はBtoB約102.7兆円
(前年比33%増、EC化率14.7%)、
BtoC約5.6兆円(前年比28%増、EC化率2.1%)
CtoC(ネットオークション)約7,800億円
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【本調査について】 経済産業省(商務情報政策局 情報経済課)、次世代電子商取引推進協議会(略称:ECOM、東京都港区芝公園、会長:後藤 卓也 花王株式会社 取締役会会長)、及び株式会社NTTデータ経営研究所(東京都渋谷区東、社長:佐々木 崇)は共同で『平成16年度電子商取引に関する実態・市場規模調査』を実施、本日その調査結果を発表しました。 この調査は1998年度より継続的に実施しており、今回で7回目となります。今回の調査は、2005年1月から3月にかけて事業者/消費者アンケート、事業者インタビューを実施することにより、2004年の日本の電子商取引市場規模の実態分析と推計を行っています。 調査対象は、VAN・専用線等の従来型EDIを含む広義のBtoB-EC(企業間電子商取引)、インターネット技術ベースの狭義のBtoB-EC、BtoC-EC(消費者向け電子商取引)、モバイルBtoC-EC、さらに今回からCtoC-EC(ネットオークション)も対象に含めています。 【調査結果総論】我が国ECは着実に拡大 ![]() 調査結果によると、2004年のBtoB-EC市場規模は、102兆6,990億円(EC化率14.7%)に達しました。これは、前年の77兆4,320億円(EC化率11.2%)から33%の増加となっています。また「広義のEC」の市場規模は、約191兆円が確認され、インターネット技術を利用した「狭義のEC」が全体の半分以上の割合を占めていることになります。 一方、2004年のBtoC-ECの市場規模は、5兆6,430億円(EC化率2.1%)となり、前年の4兆4,240億円(EC化率1.6%)に対して、28%の伸びを達成しています。 BtoC-ECの内数であるモバイルコマースは、前年の7,770億円から9,710億円に増加しており、BtoC-ECに占めるモバイルコマースの割合は17%となっています。 なお、今回調査よりCtoC-EC(ネットオークション)における流通額の把握を新たに実施しました。その結果、日本におけるCtoC-ECの流通総額(国内から海外オークションへのアクセスを一部含む)は、7,840億円に達しています。
【調査結果各論】 2004年におけるBtoB-EC拡大に最も寄与した品目は、業績の拡大と同時に、部品メーカーにおけるEC調達等の拡大が確認された「自動車」(6兆2,530億円増)であり、その伸び率は22%となっています。ただし、「電子・情報関連機器」のEC市場規模が昨年とほぼ同額で推移していることもあり、BtoB-EC市場規模を牽引してきたこれら二つの品目の割合は、昨年の68%から57%に下がりました。その一方で、今年度においては、幅広い品目におけるECの取組拡大が見られました。 BtoB-ECのカテゴリ別シェア 1.従来型VAN、専用線からIPが主流に 2.中小企業の利用環境の向上による利用拡大 3.間接業務のIT化とBtoBとの連動 -伸びた副資材(MRO)、旅行市場- このほか、「化学」(前年比330%、4兆7,190億円増)、「産業関連機器・精密機器」(前年比98%、3兆6,710億円増)、「通信・放送サービス」(前年比2,100%、2,730億円増)において、調査精度の向上によってこれまでのECへの取組が新たに確認されたところですが、これらもインターネット技術を活用したECの取組が浸透していることを裏付ける結果といえるでしょう。 昨年から推計を行っている「広義のEC」の市場規模では、190兆9,770億円を確認しています。この「広義のEC」のうち、金額規模で半分以上の取引がインターネット技術ベースの狭義のECになります。これには、新たにインターネット技術ベースのECを導入している場合と、従来型EDIからの置き換えが含まれます。 BtoC-EC:ECならではの付加価値を提示できるサービスへの支持 BtoC-EC全体に占めるモバイルコマース
![]() ![]() 2004年のBtoC-EC拡大に寄与した品目を展望しますと、「医薬・化粧品・健康食品」(前年比44%、680億円増)においては、健康食品・サプリメントの大ブームを背景に、また「家電」(前年比42%、350億円増)においては、デジタル家電の需要増を背景に、確実に取扱高を増加させています。 「旅行」(前年比40%、1,870億円増)においては、主要各プレイヤーのECへの取組が例年通り積極的であった結果、順調に取扱高を増加させています。このほか、「各種サービス」(前年比41%、2,630億円増)品目などもBtoC-ECの拡大に大きく寄与しています。 モバイルコマースにおいては、「書籍・音楽」分野における着うたサービス及び着うたフルサービスが広く消費者からの支持を得た結果、前年比85%、330億円増(本調査より、着うたサービスをエンタテインメントから書籍・音楽セグメントに移動。昨年と同様の定義で比較すると前年比34%、110億円増)と、順調に市場の拡大が確認されました。また、「衣料・アクセサリー」分野においては、従来中心であったデジタルコンテンツ及び通販大手等のカタログ連動型コマースに加え、特に女性の若年層を中心に、携帯サイト上で商品の選択・注文まで行う利用法が広がっており、前年比79%、150億円増と、大きく市場が成長しています。 2004年におけるBtoC-ECの動向を個別に見ていきますと、次のような特徴が伺えます。すなわち、単なる取引の電子化ではない、ECならではのメリットを消費者に提供できたECショッピングサイトや、消費者にとって「密着性」の高い、携帯電話と連動したサービスの提供を実現させたサイトが消費者の支持を得る傾向が見受けられます。 1.顧客にECならではのメリットの提示 - 付加サービスの充実:豊富な品揃え、24時間以内発送、送料無料等 - 訴求力ある商品の提供:「ここでしか買えない」「どこよりも安い」商品の提供 - ネットコミュニティを活用した情報発信:ブログ等を活用したきめ細かな情報提供 2.携帯電話を活用した利便性あるサービスの提供 - 航空会社、一部バス会社による携帯電話を利用したチケットレス搭乗サービス - 紙チケットの発送を伴わない電子チケット(携帯電話でイベントチケット情報をダウンロード、コンビニエンス・ストアで発券)の普及 - 「クリック・アンド・カタログ」(カタログの番号を携帯電話に入力して注文)の一層の普及、「ケータイ完結型EC」(携帯電話上でブラウジング~注文が完結)に対する支持の拡大 CtoC-EC(ネットオークション):消費者の間ですでに定着 インターネットオークションに代表される、CtoC-ECの流通額は、7,840億円に達しております。これは、2004年のBtoC-EC金額総額と比べても、その14%に匹敵する金額であり、物販系BtoCのどのカテゴリよりも規模が大きくなっています。また、モバイル・オークションサービスも拡がっており、消費者が参加しやすい仕組みも整えられてきています。 ネットオークションは、着実に消費者に根付きつつあると言えるでしょう。 |
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以上 |
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