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企業名Tweet数ランキングレポート 第4回

銀行業界Twitter投稿件数ランキング

情報未来研究センター
パートナー 山下 長幸

【第1回】 企業名Twitter投稿件数総合ランキング
【第2回】 コンビニ業界Twitter投稿件数ランキング
【第3回】 損保業界Twitter投稿件数ランキング
【第4回】 銀行業界Twitter投稿件数ランキング

 

 

 

Twitterの概要(※「Twitterの概要」は総合ランキングと同様の内容である)

Twitter(ツイッター)は、140文字以内の「tweet(ツイート):つぶやき」と称される短文を投稿できるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)である。

 Twitterは、スティーブ・ジョブズ氏の再来とも言われているジャック・ドーシー氏が構想し、米国では2006年7月から、日本では2008年4月から日本語によるサービスが開始された。

 2012年4月のTwitter社の発表によると、全世界の月間アクティブユーザ1.4億人、3.4億ツイート、モバイルユーザはアクティブユーザの55%を占めている。2012年12月には全世界の月間アクティブユーザ2億人、4億ツイートと成長を続けている。

 フランスの調査会社によると、全世界の登録ユーザ数は5.2億人、日本の登録ユーザ数は3,400万人程度でそのうちの月間アクティブユーザは1,400万人とされている。(2012年7月)

 Twitterの特徴は、140文字以内という短文の投稿、スマートフォンなどを利用して、その時に感じたことをその場で投稿するという即時性である。そのため、Twitterへの投稿情報を検索することにより、現在、どのようなことが世の中で話題となっているのかを把握することが可能となる。(図表1)

 

図表1:Twitterの特徴と企業にとってのソーシャルリスニングの意義

Twitterの特徴と企業にとってのソーシャルリスニングの意義

(出所:NTTデータ経営研究所にて作成)

 

銀行業界Twitter投稿件数ランキングの趣旨

今回は、銀行業界に焦点を当て、銀行名を検索キーワードとして、Twitter投稿情報における検索ヒット数を調査してみた。銀行名を入れてのTwitter投稿内容は、「銀行の広告宣伝への感想」、「住宅ローンを選定する際の考え方」や「契約手続きの際の不備への不満」、「営業店での接客の良し悪しへの感想」、「インターネットバンキングの利用の良し悪しへのコメント」など多岐にわたり、銀行におけるビジネス改善への参考となるものも少なくない。

 このようにTwitter投稿情報には、個別銀行へのポジティブ意見、ネガティブ意見、質問、提案など様々なものが含まれているが、個人市場における個別銀行のプレゼンスを示す指標の1つと考え、銀行名を検索キーワードとする今回の調査を実施した。

 

Twitter投稿情報における銀行名検索ヒット件数上位10行の概要

図表2は、2013年3月における銀行名検索ヒット件数の上位10行を示している。

 

図表2:Twitter投稿情報における銀行名検索ヒット件数の上位10行(2013年3月の1ヶ月間)

Twitter投稿情報における銀行名検索ヒット件数の上位10行(2013年3月の1ヶ月間)

(出所:NTTデータによるTwitterデ-タ提供サービスの検索結果を利用し、
NTTデータ経営研究所にて調査分析(2013年3月の1ヶ月間))   

 

断トツの1位がゆうちょ銀行(注1)で、月間約5万8千件超の検索結果となった。2位の三菱東京UFJ銀行の約7倍となっている。全国2万4千の郵便局というリアルの店舗網の影響力の大きさを感じる。インターネットというバーチャル世界の影響力は年々高まっているのは確かであるが、リアルの店舗を利用できるという影響力もまだまだ侮れないものがある。

 ゆうちょ銀行に次いで、2位が三菱東京UFJ銀行で月間8,500件程度、4位がみずほ銀行で月間6,500件弱、6位が三井住友銀行で月間5,400件弱、9位がりそな銀行で月間3,000件超と、大規模銀行が続いている。人口の多い都市部でのリアルの営業店網の影響力が感じられる。

 新興勢力の銀行の中では、楽天銀行が月間6,600件超で3位、セブン銀行が月間5,700件超(注2)で5位、にランクインしている。インターネット専業銀行は他にもいくつか存在しているが、インターネット専業銀行だからと言ってTweet数が必ずしも多い訳ではなく、この2行はTwitter世界でのプレゼンスが高い。

 7位には横浜銀行、8位には労働金庫(注3)でともに月間3,200件程度、10位には新生銀行が月間1,700件前後でランクインした。この10行以外の多くの銀行は月間の検索ヒット件数が数百件以下で、Twitterの世界でのプレゼンスは低いものとなっている。

 

Twitter投稿情報における銀行名検索ヒット件数と貯金量との相関性

図表3では、預金量とTwitter投稿情報における銀行名検索ヒット件数(上位10行)との相関性を検証してみた。

 

図表3:Twitter投稿情報における銀行名検索ヒット件数(上位10行)と預金量との相関性

Twitter投稿情報における銀行名検索ヒット件数(上位10行)と預金量との相関性

(出所:NTTデータによるTwitterデ-タ提供サービスの検索結果を利用し、
NTTデータ経営研究所にて調査分析(2013年3月の1ヶ月間))   

 

ゆうちょ銀行・メガバンクなどが、預金量と比例して右上のエリアに位置しているが、ランクインをしていない多数の地方銀行などを考慮すると預金量とTwitter投稿情報における銀行名検索ヒット件数の相関性はあまり感じられず、インターネットの世界での活動量やコミュニケーション量の方が影響しているのではないかと想定される。

 

Twitterをマーケティングに活用する意義

リアルの店舗網の拡大は投資体力の限界で簡単にはできないが、インターネットやソーシャルメディアマーケティング活用による顧客とのコミュニケーション量拡大は低コストで実施可能である。昨今、商品・サービスの企画開発を企業と顧客が共創するコ・クリエーションや商品・サービスを購入した顧客によるレビューを企業コミュニティで行い、企業と顧客がコミュニケーションをとり、今後の商品・サービスの改良につなげる企業も出始めている。このような企業と顧客とのコミュニケーションがTwitterを通じて拡散していき、新たな顧客増加による売上向上も期待できると考えられる。

 

注1:ゆうちょ銀行は、「ゆうちょ」という略称で投稿する人が非常に多いので、「ゆうちょ」で検索した。

注2:セブン銀行は3月前半特殊事情でTweet数が一時的に急上昇したため、定常状態に戻った3月後半のTweet検索件数を2倍した。

注3:労働金庫は、「ろうきん」という略称で投稿する人が非常に多いので、「ろうきん」で検索した。預金残高は中央労働金庫の値を利用。

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