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2008年6月17日

NTTデータ経営研究所、10カ国、11,000人を対象とした保険意識調査レポート
「ワールド・インシュアランス・レポート2008」の邦訳版を発表

~既存の販売モデルは危機に直面~

株式会社NTTデータ経営研究所

株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:佐々木 崇)は、保険成熟国8カ国(フランス・ドイツ・イタリア・オランダ・スペイン・スイス・イギリス・アメリカ)における顧客の保険意識調査を取りまとめた“ワールド・インシュアランス・レポート(WORLD INSURANCE REPORT、以下WIR)2008”の邦訳版を刊行いたしました。

【レポートの概要】

1.変革期を迎えた保険ビジネスモデル

保険成熟国8カ国にて保険ユーザーに対し保有件数、保険機能に対する認識、継続期間を調査した結果、次のような事実が判明した。

    1. 保険の浸透率は非常に高く、需要は横ばい状態である。
    2. 保険を資産形成の手段として捉えている顧客は少ない。
    3. 契約継続期間は長く、顧客の潜在的な無関心さを証明しているが、購入するネットワークや保険会社を変更するという、新たな兆候が見られる。

保険に対する顧客の認識
出典: Capgemini による分析(2007年)

2. 細分化の進む顧客行動

行動特性分析によれば、成熟市場では「伝統主義者」、「機会主義者」、「無関心ユーザー」、
「平均的ユーザー」という4つの明確な顧客セグメントが存在する。顧客対応にあたっては、セグメント別に取り組んでいく必要がある。

成熟市場における行動特性に基づく顧客セグメントの変動性マトリックス
出典:Capgemini による分析(2007年)

3.ネットワークの特化と進化に伴うマルチ販売方式の拡大

    1. インターネットチャネルのシェア拡大は今後も続く。一方で、既存の販売ネットワー クの大半は危機に面している。
    2. 各販売ネットワークは特定の顧客、商品、ニーズに特化している。
    3. こうした中、マルチ販売戦略の最適化と、マルチ保険装備への追求が必要である。

4.バンカシュランス:競争力の活用がネットワークを志向に導く

    1. 銀行経由で保険を購入する顧客については、利便性が価格以上に差別化要因となっている。
    2. 銀行の競争力は保険会社を確実に凌ぐが、市場変化=顧客意識、法規制=から隔離されているわけではない。

5.結論:イノベーションが成熟市場での成長を後押しする

保険会社が競争優位性を確保し、シェア拡大を図るには販売ネットワークや顧客との関 係の最適化、市場動向への適応、販売ネットワークに対する実利的アプローチを考慮し、 以下の対応を行う必要があると整理している。

    1. 市場力学の変化がビジネスに及ぼす影響を管理する。
    2. 顧客やネットワークとの関係において自己主張をより積極的に行う。
    3. ITを課題克服の必要条件としてではなく、そのための手段として捉える。

【発展途上市場の概況:インドと中国】

<インド>

    1. インドでは、1999年に保険業を民間に解放して以来、市場は急拡大している。
    2. 生命保険は資産形成手段として利用されているが、損害保険は必要視されていない。
    3. 顧客は高所得/モダン層、伝統主義者、地方/低学歴層に細分化される。このセグメントに柔軟に対応できればビジネスチャンスが到来する。

<中国>

    1. 保険商品に馴染みのない顧客が大半のため、顧客教育が必要である。
    2. 対面募集が主流。外国保険会社など後発参入者はバンカシュランス事業に参入して地元資源の活用をするのが最も効率的かもしれない。

* 本レポートは以下URLより、ダウンロードいただけます。 http://www.keieiken.co.jp/services/financial/WIR08/index.html

◆ 本件に関するお問い合わせ ◆

株式会社NTTデータ経営研究所
  〔WIR2008に関するお問い合わせ先〕
  ソーシャルイノベーション・コンサルティング本部
  河原・山下  TEL: (03) 5467-6331

  〔報道関係のお問い合わせ先〕
  マーケティング部 
  井上国広  TEL: (03) 5467-6313

【WIRとは】

2007年から刊行を開始した、保険分野のグローバル調査です。EFMA(欧州金融マーケティング機構)とキャップジェミニ(Capgemini)社が取りまとめており、NTTデータ経営研究所では2008年度版より邦訳を開始しました。保険成熟国8カ国の保険顧客の意識調査を軸として、独自の視点で顧客のセグメンテーションを行い、これらセグメントに対してどのような戦略で挑むべきか、販売網運営はどうすべきかを示唆した内容となっています。

【EFMA(欧州金融マーケティング機構)について】

EFMAは、欧州全域の銀行、保険会社および金融機関が加盟する有数の協会です。EFMAは1971年に設立され、現在、世界中の金融機関の2,450以上の異なるブランドが加盟しており、この中には欧州最大手の銀行グループの80%が含まれています。EFMAの詳細については、www.efma.com〈英語〉をご覧ください。

Capgeminiについて

Capgeminiは、コンサルティング、IT、アウトソーシングの各種サービスを提供する世界有数のプロバイダの1つです。Capgeminiは35カ国に拠点を持ち、2007年の世界売上げは87億ユーロであり、世界中で83,000名以上を雇用しています。Capgeminiの詳細に
ついてはwww.capgemini.com〈英語〉をご覧下さい。 Capgeminiの金融サービス部門は、15,000名の専門家のネットワークを擁し、世界各地で900を超える顧客にサービスを提供しており、銀行、保険および資本市場に有力なソリューションを提供してビジネスの成長を支援しています。詳細については、http://www.capgemini.com/industries/financial/〈英語〉をご覧ください。

 

【NTTデータ経営研究所について】

NTTデータ経営研究所は、NTTデータの100%子会社であり金融、公共、産業の各セクターに対し、コンサルティングサービスを提供しています。NTTデータとCapgeminiは2005年よりグローバルパートナーシップ関係にあり、NTTデータ経営研究所金融コンサルティング本部は、金融分野におけるCapgeminiとの窓口の役割を担っています。NTTデータ経営研究所の詳細については、www.keieiken.co.jpをご覧ください。

以上

 

参照:「 ワールド・インシュアランス・レポート2008 」ダウンロード

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